かつてない急落。2月にバブル期の最高値を上回ったあと、先月には4万2000円を超えて、史上最高値を更新した日経平均株価。しかしきょうの終値で、4400円を超える過去最大の下落幅を記録。わずか1か月弱の間で、ことしに入ってからの上昇分が帳消しになった形。また円高ドル安も加速している。生活への影響、今後の値動きはどうなるのか。歴史的な株価急落となったきょう、都内の証券会社では、株式を売却したいなど、客からの問い合わせが相次ぎ対応に追われた。岩井コスモ証券東京コールセンター・本間大樹センター長は「朝からパニック状態の売りが続いている状態」と語った。日経平均株価は、先週の記録的な下落に引き続き、きょうも取り引き開始直後から全面安の展開。株価急落で、大阪取引所の先物商品で「サーキットブレーカー」と呼ばれる異例の措置が取られた。取り引きの混乱を避けるため、取引所が一時的に売買を止める措置。一時4700円以上の値下がりにもなり、結局終値は先週末より4400円以上安い3万1400円余。過去最大の下落幅を記録。かつて世界的に株価が暴落した、いわゆるブラックマンデー。その翌日に3800円余の下落幅を記録した1987年以来のこと。円相場では円高が進んだ。一時、先週末と比べて7円以上円高ドル安の1ドル=141円台まで値上がり。ことし1月以来、約7か月ぶりの水準となった。現在1ドル=142円33銭〜36銭で取り引きされている。今回のかつてない株価の急落の要因について、UBS証券・守屋のぞみ株式ストラテジストは「米国経済がソフトランディング(軟着陸)でいけるのか、景気後退してリセッションと言われる状況になるのか、やや不確実性が出てきた中で、よりドル円が円高ドル安に一気に振れていった。日本株を引っ張ってきた外国人投資家が、日銀の政策の変化、米国の経済情勢の変化で考え方が変わってきたのが大きな影響を与えたのでは」と語った。今後の見通しについて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング・小林真一郎主席研究員は「日本の景気の先行きが大きく疑問視される。大きく問題が発生している状況では決してなく、売りが売りを呼ぶパニックになっていく中で、価格も下げ止まらなかった。これ以上、下がらないと信じることができれば買いが入ってくると思うが、少し下値不安が残るような状態なのでは」と語った。