今年1月にラスベガスで開かれたテクノロジーの祭典CESの基調講演で発言が注目を浴びたロレアル二コライエロニムスCEOが取材に応じた。ロレアルが打ち出した美容に最新技術を使うビューティ・テックについて、日本ロレアルでは3つの光線で表面と左右を撮影、毛穴の開きや小じわなど8つの要素を分析測定することやイブ・サンローランではAi技術でオリジナル口紅を作るデバイスを開発、自分専用の口紅を作ることができる。ロレアル・二コライエロニムスCEOは日本には技術面での可能性があると強調する。現在、日本を含むアジアで、美容にいかせる基礎的な技術を持つスタートアップを探すピッチイベントなどを開いている。今後はECを含むデジタル分野にもその対象を広げ重点的に日本のスタートアップなどと協業する考えを初めて明かした。さらに、日本の市場としての可能性にも言及、カギとなるのが過去に買収した2つの日本ブランドだという。世界の化粧品市場は2030年に日本円でおよそ15兆4800億円に達し年平均11%の伸び率で成長すると予想されている。この好調な化粧品産業で世界トップのシェアを誇るロレアルだが言語の壁などもあり、実は日本市場のシェアは2%ほどでまだ伸びしろがあるという。スキンケア製品で日本トップクラスのシェアの「タカミ」は2020年にロレアルの傘下に入ったブランドでこれまで中小企業では難しかった百貨店での販売が可能に、またグループのネットワークを生かし海外出店ができるようになり結果売り上げは3年間で4倍以上になった。イエロニムスCEOは日本を重視する理由について「日本の消費者を満足させる製品を作れば世界中のどこでも売れる」とし、 日本で売れたブランドはアジアでの売れやすいという分析がされていて日本は試す場所として最適だということ。