兵庫県・斎藤知事不利な状況からの出直し選挙で当選を果たした。背景にあったのがSNSでの支持の広がり。「#さいとう元知事がんばれ」という言葉がX上でいつ、どのように広がっていったのかを調べた。投稿は後援会の公式Xが立ち上がったころから始まり、テレビなどの選挙報道が減った告示後に増加。その要因の一つと考えられるのが知事選に立候補した立花孝志氏の存在。自身の当選は目指さず、斎藤氏をサポートするという異例の選挙戦を展開。YouTubeで「告発文書は名誉毀損」「斎藤氏ははめられた」などと自身の考えを繰り返した。その中で情報を隠蔽した百条委員会とオールドメディア対真実を伝えるネットという対立構造がにわかに作られ、うねりになっていった。裏側を知る女性が取材に応じた。女性は兵庫県・斎藤知事の支持者が集まるLINEグループに登録。「チームさいとう」と名付けられたLINEグループでは県外からも支持者が応援に駆けつける様子がうかがえる。管理者を名乗るアカウントからSNSの発信について指示が出されていた。中には斎藤氏が様々な勢力によって陥れられているとする動画も。斎藤支持者のLINEグループだが立花孝志氏の動きも共有されていた。参加を呼びかけるような投稿。演説場所として書かれていたのは百条委員会・奥谷謙一委員長の住所だった。女性は斎藤氏の街頭演説で、「斎藤さんの街宣の後にそのまま立花さんの街宣」という場面を見たという。両陣営の距離の近さを示すそのときの動画がネット上に残っていた。演説を終えて斎藤氏は立ち去るがその場に残る支持者たち。30秒後、立花氏が現れ斎藤陣営のロープをくぐると拍手で迎えられた。女性は「セットの印象を受けた。斎藤支持者は立花さんを利用して票を集めることに加担していた」と語った。兵庫県の選挙管理委員会に見解を聞くと「立花氏のように当選を意図しない立候補は公職選挙法が想定しておらず、困惑している」と回答があった。