ひるまえほっと (特集)
大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の主人公の蔦重のように、浮世絵を作る出版社、版元が今もある。東京と京都で5軒程ある。そもそも浮世絵は多くが木版画。版木は印刷面が摩耗するで、刷るのは1000回ぐらいが限界だと言われている。そのため江戸時代の版木自体はほとんど現存しない。今、北斎や広重などの浮世絵が必要だという時は、当時と同じように新たに版木から作り直すのが現代の職人たちの主な仕事となっている。そんな中、浮世絵の技術、伝統を守りつつ、新しい挑戦を続けている人がいる。「令和の蔦重」こと坂井英治は、浮世絵を販売する版元の代表をしている。部屋には坂井が企画した浮世絵がずらりと並んでいる。葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は、江戸時代にあったものを坂井が現代の職人たちと復刻したもの。人気アニメを浮世絵の伝統技術で制作したものは、新たな浮世絵ファンの心をつかんでいる。坂井が浮世絵と出会ったのは30年程前。当時、商社マンだった坂井が、知り合いの版元を訪れた時に見た職人たちの技にすっかり魅了された。