クローズアップ現代 ネクスト・パンデミック 新たな感染症にどう備える
ベトナム北部の山岳地帯、近年新たなコロナウイルスが複数見つかっている中国・雲南省に隣接する地域に未知のウイルスの探索に日本の研究チームが向かった。東京大学医科学研究所・佐藤圭教授は新型コロナの変異ウイルスの特性をいち早く解明。東京大学、長崎大学、ベトナム科学技術アカデミーの合同チームが向かったのは洞窟。ヒトに感染するウイルスを保持している可能性があるコウモリを捕獲するため洞窟の入り口にわなを仕掛けた。サーズ、新型コロナはいずれもキクガシラコウモリがもっていたルーツがあると考えられている。ただコウモリのウイルスがどのようにして人での流行に至ったのかは不明。コウモリが持つウイルスを研究することでヒトへの感染メカニズムの解明や次のパンデミックを引き起こすウイルスの発見につながると佐藤教授は考えていて「ここから新しいウイルスが見つかるかもしれない」と話す。分析は現地にある長崎大学の研究拠点で行われ、結果は今年中に判明する見込み。佐藤教授は現地で調査をする中で観光化やインフラ整備の開発が進みヒトが野生動物のクラス地域に近づいていることに気が付いた。これによりヒトがこれまで出会うことがなかった病原体に接触する機会が増えパンデミックのリスクが高まると考えている。