ニュースウオッチ9 (ニュース)
随意契約で売り渡された令和4年産の「古古米」は明日から店頭に並ぶこととなる。一方、令和3年産の「古古古米」はきょうから購入申請の受け付けが開始となった。小泉農林水産大臣は令和3年産「古古古米」などの保管状況を視察した。現在は5キロ4,000円前後の価格帯中心に販売となっており、比較的安いコメのニーズが高まっているという。今回の申請の売り渡しで対象となる「古古古米」8万トンだがこのうち6万トンが年間1,000トン以上~1万トン未満の取り扱いがある中小の小売業者向けで、残る2万トンは精米設備のあるコメの販売店向けとしている。価格は60キロあたる1万886円で5キロに単純に換算すると907円となる。店頭での価格について小泉農相は「5キロ税抜き1,800程度になるのではないか」としている。今回の購入申請を見送る小売業者もあり、滋賀県で3つの見せを営むスーパーである。「古古古米」の需要が見通せないことや精米・袋詰めの経費が膨らむ懸念から随意契約の申請は行わないとのこと。購入業者が購入を見送る理由の1つとなっているのが「精米をどうするか」という課題である。そうした中、精米せず販売しようとする動きもあった。「古古米」5,000トン調達の申し込みをした大手ホームセンターのカインズは来月のできるだけ早い時期に備蓄米の販売を開始し、一部玄米で販売することも検討しているという。玄米を自分で精米するとしたら今注目されているのが、コイン精米機を探せるマップである。全国で精米ができる場所を地図上に表示し、無料でインターネット上に公開。4年前から開始しているが、随意契約による備蓄米の購入申請が始まった今週はじめごろからアクセスが急増し約4倍になったという。マップによると東京23区内には100か所以上の精米所があるとのこと。まずお金を入れ、玄米を投入口に入れて精米の度合いを選択する。しばらくすると精米されたお米が出てくる。
一方、随意契約によって「古古米」を購入した各社では店舗での販売に向けた動きを本格化させている。ドン・キホーテは”6月初旬~都内の店舗で2,000円程度で販売”することにしている。大手生活用品メーカーのアイリスオーヤマは当初の予定を2日間前倒しにして”あす~宮城・千葉の店舗で販売”する予定である。大手スーパーのイトーヨーカ堂も”あす~東京 大田区の店舗”で販売すると発表し、流通大手のイオンは”あさって~東京 品川区の店舗”での販売を徒弟している。中野国土交通相は随意契約で売り渡す備蓄米の運搬についてきょう「備蓄米物流支援室」を設置し、農林水産省と物中事業者の調整などの支援を行うことを明らかにした。一方「競争入札」で売り渡された備蓄米は消費の現場に十分届いていない現状もある。ことし3月に落札された21万トン余のうち、消費の現場に届いたのは4万1,975トンで全体の2割程度にとどまっている。農林水産省は”今の不足感を踏まえると備蓄米の流通に一段のスピードアップが必要と受け止めている”としている。またコメに加えて値上がりしているのがおにぎりにも使われている「のり」である。養殖のりの記録的な不作などで仕入れ価格は去年の約2倍になっているという。コメの価格高騰もあり、おにぎりの販売価格を2倍以上に値上げせざるを得なかった。おにぎり専門店では品質を変えずに安いのりを仕入れられないか模索しているという。
民間の調査会社によると、来月値上げされる食品は1,932品目にのぼり主な品目は香辛料や出汁製品など調味料が最も多く次いで即席麺やのり製品・パックごはんなどの加工食品、ヨーグルトやクリームなどの乳製品となっている。値上げの理由は原材料の価格高騰に加えて光熱費の上昇による生産コストの上昇などが複合的に重なったとしている。また”ことし1年間で値上げされる食品は2年ぶりに2万品目超の可能性が高い”としている。