列島ニュース 列島ニュースアップ
和歌山・有田川町の名産「ぶどうさんしょう」。ぶどうの房のように実ることから名前が付き、香りが良く海外からも注目されている。道の駅にはスパイスやジャムなどぶどうさんしょうの加工品が並んでいる。ぶどうさんしょうは7月~8月が収穫で最も忙しい時期。全て手作業で収穫している。しかし、町の人口が減り、農業に携わる人も減っている。人手不足の解決策の一つとして始まっているのが「ぶどう山椒収穫レスキュー」。町の外の人に収穫を手伝ってもらう取り組みで一昨年始まった。農家の声を町にある一般社団法人が集め、興味があるという町の外の人と結びつける。そして一般社団法人がスケジュールの調整なども担う。この仕組みを作った団体の理事・楠部睦美さん。地元出身の楠部さんはぶどうさんしょうの魅力に町の外の人に気軽に触れてもらいながら農家を支援できればと考えた。気軽に来てもらえるように宿泊施設を整備。人口減少で廃校になった小学校をリノベーション。この夏はのべ85人が訪れた。食事付きで1泊9000円~という価格設定も人気の一つ。この日は和歌山大学の留学生が収穫を手伝いに来ていた。この農園では今夏のべ19人に収穫を手伝ってもらった。この取り組みは町のファン増加にも繋がっている。大阪府から参加した森真紀子さん。収穫レスキューをきっかけに町の自然に魅せられ何度も通うようになった。「よそから来た人も受け入れる体制がすごくある町だなと思う」と話した。楠部さんは「この地域に足を運んで顔を出してサポートしてもらえたら。地域内に少ないなら外から関わってもらうのも一つだと思っている。発展して二拠点居住・移住する人が現れたらすごいゴール」と話した。また、和歌山を代表する梅の産地のみなべ町では梅の収穫を手伝う「梅収穫ワーケーション」が行われている。12月にはお堂のかやぶき屋根を新調するためにかやを刈る「レスキュー」も予定されている。ぶどう山椒収穫レスキューについては広島県や宮崎県などの自治体が視察に来ており、県外にも広がっていく可能性を感じたとのこと。