TBS NEWS (ニュース)
ガンと戦いながら米国の舞台で活躍する仙台出身のバレリーナがいる。全てを受け止め前に進む真の強さ、その姿を取材した。力強く華やかな演技を披露する仙台市出身のバレリーナ佐々木弥生さん。フロリダ州マイアミにあるバレエ団で活動を始めて4年目の去年、初めて主役を任され見事に演じ切った。幼い頃から仙台市内のバレエ教室に通い数々のコンクールで入賞、実力をつけていった。長年指導してきたカンパニーボナテラ仙台教室主宰・岩佐貴美子さんは弥生の演技について「彼女の踊りの良さはダイナミックなところ」と話す。しかしプロとなり夢見た主役への抜擢が決まった去年8月、病魔に襲われた。母の勧めで受けた市の健診で乳がんと診断された。自覚症状はなくあまりにも突然の出来事だった。手術をしたが、現在も治療は続けている。抗がん剤治療にはためらいがある。バレエの基本はアップスタイル。副作用が出て髪が抜けてしまうのが気がかり。“治療の合間でアメリカに戻って踊りたい”。頭をよぎるのは大好きなバレエのこと。バレエを始めたのは2歳の頃。以来この道一筋で過ごしてきた。弥生さんは現在SNSやYouTubeでの発信にも力を入れている。少しでも同じ境遇の人の力になりたいと手術や放射線治療、卵子凍結など発信する内容は多岐に渡る。バレエが好きな人や同じがん患者からの反響が大きかったという。恩師の岩佐さんも弥生さんの力を信じている。華やかな舞台に立つまで努力を積み重ね、多くの挫折を乗り越えてきた弥生さん。がんを患い気づいたこともあるとポジティブな捉え方もしている。バレエで培った克服する力。辛い経験も糧に、より芯の強い踊りで自身を表現し続けたいと考えている。弥生さんは「まずは舞台復帰が私の一番の目標で、あとはずっとその時頑張れることを頑張るっていうのが目標」と語った。