アメリカ大統領選挙 中絶問題で揺れるアリゾナ州

2024年6月27日放送 4:38 - 4:45 NHK総合
国際報道 米大統領選挙2024 アメリカ 究極の選択

今月24日、中絶の権利を認めるべきだと訴える人たちのデモが紹介された。中絶を認めるべきか否かアリゾナ州での議論が注目されたのは今年4月のことだった。1864年にアリゾナで制定された人工妊娠中絶を事実除禁止する法律。中絶規制の判断が各州の判断に委ねられたことを受けて州の最高裁判所はこの160年前の法律が今も有力だとする判断を下した。これに対し民主党は猛反発。州議会にこの古い法律を無効にする法案を提出した。共和党は反対にまわると見られていたが、一部の議員が賛成にまわり、古い中絶禁止法を無効とすることが決まった。共和党の一部議員が中絶に対する態度を翻した背景には世論の変化がある。先月発表された世論調査では人工妊娠中絶について「法で認められるべき」と回答した割合は激戦州で64%。共和党が強い州ですら57%と半数を超えた。主張を変えた1人でトランプ氏への支持を呼びかけているケリー・レイク上院議員候補はこれまで中絶は罪だとしてほぼ例外なく禁止すべきだと公言していたが姿勢を軟化させた。しかし中絶の禁止を共和党に託してきた保守的な支持者は納得がいかない。共和党系の政治コンサルタントは「共和党にとって中絶をめぐる問題への対応は容易ではない」と指摘する。一方、民主党・バイデン陣営はこうした世論を最大限活用しようとしている。いま民主党陣営は大統領選挙と同じタイミングで中絶の権利を州が保障する是非について問う住民投票を行うこと目指し、署名活動を行っている。世論を追い風に中絶問題で住民投票を行えば、大統領選挙でも民主党に有利に働くという考えだ。ハリス副大統領もアリゾナ州に入り改めてバイデン氏への投票を呼びかけた。


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