NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
イランがイスラエルに向けて多数のミサイルと無人機を使った大規模な攻撃を仕掛けたことを受け、イスラエルでは16日も戦時内閣の閣議が開かれ、対抗措置について検討を重ねているとみられる。イスラエル軍のハガリ報道官は16日、「イランの攻撃に対応しないわけにいかない。我々が決めた時期と場所で行動する」と述べた。イスラエルの対抗措置を巡って、米NBCテレビは米政府当局者の話として、「シリアにあるイランが支援する勢力の軍事施設を攻撃する可能性がある」という見方を伝える一方、米CNNテレビは関係者の話として、「イラン国内への限定的な攻撃を検討している」という情報があると伝えるなど様々な選択肢が取り沙汰されていて、余談を許さない状況となっている。一方イラン側は「これ以上事態を悪化させる意図はない」という姿勢を繰り返し示している。イランのライシ大統領は16日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシア大統領府によると「イランの行動は必要に迫られたものでかつ限定的なものだった。イランはこれ以上緊張を高めるつもりはない」と述べたという。
一方イスラエルの後ろ盾となっているアメリカのカービー大統領補佐官は、「我々はイランとの戦争やより広範な地域での紛争は望んでいない」と発言。バイデン政権高官は「アメリカはイスラエルの対抗措置には参加しない」としている。イギリスのスナク首相は16日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、「事態をエスカレートさせる行為は誰の利益にもならず、中東の治安を悪化させるだけで冷静さを保つべきだ」と強調したという。イランの核施設の監視にあたってきたIAEAのグロッシ事務局長は、イスラエルの対抗措置の標的がイランの核施設になる可能性を記者団から問われたのに対し、「常にその可能性を懸念している。我々は常に最大限の自制を求める」と答えた。日本も上川外相が昨日、イスラエルとイランの外相と電話会談し、事態のさらなる悪化を避けるために双方に自制を求めた。