日曜報道 THE PRIME (ニュース)
アメリカのトランプ大統領の主張は日本との安全保障条約にも及んだ。こうした発言は今回が初めてではない。トランプ大統領は1期目から日米安保条約は不公平だと繰り返してきた。トランプ大統領はなぜ日米安保に強い不満を持つのだろうか。その背景には長い歴史がある。第2次世界大戦後、世界は冷戦に突入し朝鮮戦争が勃発。占領下にあった日本で米軍基地は戦略上重要な拠点となった。アメリカは日本が独立した後も在日米軍の駐留継続を求めた。1951年サンフランシスコ平和条約で日本は主権を回復。その直後、当時の吉田茂総理が調印したのが日米安全保障条約。日本の安全保障の早期確立などを目指した吉田総理は国会の審議を経ずにこの条約に独断で署名。しかし当時の条約にはアメリカによる日本防衛義務が明記されず日本国内では不平等条約との批判が高まった。そこで1960年、岸信介総理はアメリカに日本の防衛義務を課す、双務的な条約への改定に踏み切る。しかし、それは日本がアメリカの戦争に巻き込まれることになるのではないか、こうした懸念などが広がり日本国内にかつてない規模の反対運動が巻き起こった。「60年安保闘争」東京、国会議事堂周辺には全国からデモ隊が連日押し寄せ最大で10万人以上が抗議の声を上げた日も。一部は警察と衝突するなど激しさを見せた。野党議員は国会を封鎖して国会承認を阻止するため徹底抗戦。しかし強行採決の後、国会で承認。こうして日本の安全保障の根幹となる新たな日米安保条約が成立した。あれから65年、日米安保の在り方があらためて問われている。