- 出演者
- 梅津弥英子 橋下徹 松山俊行 安宅晃樹 佐藤正久 岩田明子
オープニング映像が流れ、出演者が挨拶した。
石破総理はおととい高額療養費制度の負担上限額引き上げについて、今年8月からの実施を見送る方針を表明した。高額療養費制度は医療費が高額になった患者の自己負担を抑える制度、これまで政府は来年8月以降の負担上限額引き上げは再検討する一方で今年8月の引き上げについては予定通り実施する方針だった。しかし、これに患者団体などが強く反発。政府はすでに2度の方針転換を行っているが自民党内からも慎重な対応を求める声が上がっていた。そして政府は3度目の方針転換に踏み切り負担上限額の引き上げをいったん、凍結することを決定。衆議院を通過した来年度予算案を再修正する可能性もあり野党は批判を強めている。
高額療養費の引き上げについて、三回方針を転換した総理。患者団体、野党、公明党、自民党の参議院議員からの反発があった。総理の求心力は低下すると見られている。政策を決行するのが参議院だ。二院制の意味は大きい。ガンは二人に1人がかかるので岩田さんが人ごととは思えないとのこと。高額療養費制度の改革は必要だという。本来やるのはリスクのひくいところ。自民党はこれから主張をしなければいけない。どうやって医療費を下げていくか。なぜ高額療養費制度から手をつけるのか。国民にとってもわからない。全体像を見せて制度をつくらなければいけない。負担の順番が違うという。
アメリカのトランプ大統領が日米安全保障条約の在り方に強い不満を投げ掛けた。日本はアメリカとの関係で大金を稼いでいるという。我々は日本を守らなければいけない。しかし日本は我々を守る必要はない。いったい誰がこんなディールにしたんだ?とトランプ大統領は日米安全保障条約に不満を述べている。
4日、アメリカ議会で行われた施政方針演説、歴代最長となるおよそ1時間40分の演説でトランプ大統領は「国民の皆さん、アメリカは戻ってきた」と宣言した。議場に響く異例のUSAコール、共和党議員たちは立ち上がり歓声を上げるが一方で、反対側に座る民主党議員たちは沈黙。さらに、うそだと書かれたプラカードを掲げるなど大統領の演説に抗議する姿も見られた。ロイター通信によると演説開始から1時間もたたずにおよそ30人の民主党議員が退席、議会の深い分断を象徴する演説となった。そんな中、トランプ大統領はウクライナへの支援についてヨーロッパの対応を問題視。また別の日には批判の矛先がNATO加盟国にも。アメリカばかりが負担していると批判。
アメリカのトランプ大統領の主張は日本との安全保障条約にも及んだ。こうした発言は今回が初めてではない。トランプ大統領は1期目から日米安保条約は不公平だと繰り返してきた。トランプ大統領はなぜ日米安保に強い不満を持つのだろうか。その背景には長い歴史がある。第2次世界大戦後、世界は冷戦に突入し朝鮮戦争が勃発。占領下にあった日本で米軍基地は戦略上重要な拠点となった。アメリカは日本が独立した後も在日米軍の駐留継続を求めた。1951年サンフランシスコ平和条約で日本は主権を回復。その直後、当時の吉田茂総理が調印したのが日米安全保障条約。日本の安全保障の早期確立などを目指した吉田総理は国会の審議を経ずにこの条約に独断で署名。しかし当時の条約にはアメリカによる日本防衛義務が明記されず日本国内では不平等条約との批判が高まった。そこで1960年、岸信介総理はアメリカに日本の防衛義務を課す、双務的な条約への改定に踏み切る。しかし、それは日本がアメリカの戦争に巻き込まれることになるのではないか、こうした懸念などが広がり日本国内にかつてない規模の反対運動が巻き起こった。「60年安保闘争」東京、国会議事堂周辺には全国からデモ隊が連日押し寄せ最大で10万人以上が抗議の声を上げた日も。一部は警察と衝突するなど激しさを見せた。野党議員は国会を封鎖して国会承認を阻止するため徹底抗戦。しかし強行採決の後、国会で承認。こうして日本の安全保障の根幹となる新たな日米安保条約が成立した。あれから65年、日米安保の在り方があらためて問われている。
日米安全保障条約については1期目から不満を口にしていたトランプ大統領だが、2期目の今発したこの不満をどう読み解けばいいのか。視聴者アンケート「今回のトランプ大統領が表明した日米安全保障条約への不満について理解できるか」。dボタンから参加できる。トランプ大統領の6日の発言「われわれは日本を守らなければならない、しかし、どんなことがあっても日本はわれわれを守る必要はない、いったい誰がこんなディールをしたんだ」。佐藤氏は「トランプ大統領が言っているのは”自分の国は自分で守れ、アジアのことはアジアでやるべきだ。日米同盟にタダ乗りするな”ということ。日本も一定程度防衛力を上げなければ。現実の世界の中でどうやって日本を守るか、現実論に立って議論をやる時期だと思う」などと述べた。日米安保条約が不公平だという発言は1期目のときから出ていて、一期目の時は安倍元総理だった。その当時の発言と今のトランプ大統領の発言の真意をどう見るか。岩田氏は「一期目のときもよく仰っていた。根底にはコストがかかることがある。形を変えて何度でも言ってくると思う」などと分析した。
こうしたトランプ大統領の発言に石破総理も反応し、一昨日時点では冷静に受け止めるべきという認識を示した。ただ、総理就任前に寄稿した論文には日米安全保障条約の仕組みについて「非対称双務条約を改める時は熟した」として条約の改定や自衛隊のグアム駐留案を提起している。佐藤氏は「将来的には不平等な部分があるため変えなければいけない。ただ道筋をしっかりするために日本の防衛力を一定程度高めないとアメリカは相手にしないと思う」などと指摘した。橋下氏は「トランプさんが言っていることは本質をついていると思う。石破さんは総理になってから発言を変えている。今は時代が変わってきたので基地提供だけじゃだめ。我々も同じようなことをやっていかないとイコールにならない。日米安全保障条約、憲法も変える時期にきている」などと話した。
トランプ大統領のウクライナへの発言を受けて、従来のアメリカ頼みから脱却を図る動きが起きている。EUのフォンデアライエン委員長は「ヨーロッパは自らを防衛できなければならない」として欧州再軍備計画の大筋合意をした。さらにロシアに対する防衛力強化のために日本円にして128兆円規模の資金の確保を目指すという。岩田氏は「フルスペックの集団的自衛権に向けた議論と防衛費増額の議論が必要」などと話した。
トランプ大統領が国防次官に指名したコルビー氏は4日、日本は防衛支出をできるだけ早くGDP比3%以上に引き上げるべきだと主張した。仮に実現することになると日本の防衛費は一気に最大18.8兆円に膨らむことになる。コルビー氏は前から3%か3%以上という主張をしている。佐藤氏は「防衛費増額の議論は大変だが、本当に在日米軍だけで日本を守れるのかという本質的な議論が今後必要になってくる。今後もアメリカは防衛費増額などを要求する可能性があり、日本がどれだけ役割を果たすのか考えていく必要がある」などと話した。
防衛費増額の要求について橋下氏は「アメリカは国民1人あたり22万円防衛費を負担している。それを考えると日本も対GDP比3%まで引き上げるべき。これがアメリカと公平だということを国民が理解する必要がある」などと話した。佐藤氏は「アメリカは日本に対してアジアの集団安全保障に汗をかけと要求している。今の平和安全法制はアジアの集団安全保障的な意味合いでは不十分。そこを整備してから憲法改正等に踏み切るのが実際的だと思う」などと話した。
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- エルブリッジ・コルビードナルド・ジョン・トランプヴォロディミル・ゼレンスキー内閣法制局北大西洋条約機構国内総生産安倍晋三平和安全法制整備法日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約石破茂自由民主党自衛隊集団的自衛権
今後のウクライナ支援の在り方について。アメリカの負担を減らすという点でトランプ大統領が度々問題視している。去年までのアメリカからのウクライナへの軍事支援額は約641億ユーロ(約10兆円}に上り、アメリカが各国をリードしてきた。ただ状況は混沌としてきている。先月にロシアのプーチン大統領と電話会談をして以来トランプ氏は親密さをアピールしている。さらにゼレンスキー大統領とは首脳会談で口論を繰り広げ、軍事支援を一時停止するという事態になった。現在はサウジアラビアで協議を再開する方向で調整に入っているという。ただここにきてトランプ氏は「ロシアに大規模な制裁を強く検討している」と言い出している。佐藤氏は「停戦の鍵はいかにロシアを怒らせず交渉の椅子につかせるか。トランプ政権はウクライナを屈服させたので次はロシアの番だとしてディールの準備を行っている段階」などと話した。
欧米がウクライナを巡って分かれているが、日本がこの間に立ってどちらにつくのかという議論も始まっている。佐藤氏は「日本はアメリカとの連携がまず第一」などと話した。
アメリカの関税政策はどういう影響を与えるのか。トランプ大統領の施政方針演説の映像を紹介。トランプ大統領は4日に関税を発動した。カナダとメキシコからの輸入品に対しては25%の関税。中国には今年の2月から10%かけていたがこれに、さらに上乗せ10%して、合わせて20%の追加関税をかけた。3カ国に対して関税を発動したが一方で関税をかけられた側はどのような対応なのだろうか。中国は10日から、鶏肉、小麦やトウモロコシなどといった農産物に最大で15%の関税をかける。メキシコはこの報復関税については詳細を明らかにしていない。すでに報復関税を行っているのがカナダ。カナダは関税をかけられた4日からアメリカ産のオレンジジュース、ウイスキー、医療品などおよそ3兆円相当のアメリカ製品に対して25%の関税をかけている。カナダの酒類販売店ではアメリカ産の酒類を撤去している。カフェではもともとはアメリカーノというメニュー名だったがそれをカナディアーノに変更などアメリカへの反発が高まっている。カナダにとってアメリカはどんな位置付けかとの質問に同盟国であると答えた方が31%いるのに対し、中立国だという方は24%、敵国と答えた方が30%いるという。
アメリカの関税政策は日本にも影響が及ぶ恐れがある。12日に発動される鉄鋼とアルミニウムに対しての関税25%。来月2日には貿易相手国が高い水準で関税を課してきたら同じ水準まで上げるという相互関税、そして特定品目への関税というものもある。例えば自動車には25%程度、半導体や医薬品については25%以上の関税も発表するとしている。関税という言葉が一番好きだと言っているトランプ大統領、目まぐるしい関税政策を繰り出しているが、トランプ政権1期目でも日本は関税政策にかなり振り回された。今回、1期目と比較してどういう対応を日本はすべきか。岩田さんは「追加関税をいかに回避するかを一生懸命やること。日本で一番怖いのは自動車関税」などと話した。第1期トランプ政権のときは当時、安倍政権でTAG協定からその後の日米貿易協定まで持っていって自動車への25%関税は時間切れに終わって持ち越したという形になったが今回は日本の自動車に対してもやってくるのではと言われているどう対応するのか。
たった1人の発言が国を超えて変化をもたらしている。選択の先の日本の未来について考えていきたいとした。
長引く不動産不況の象徴となっている大手不動産開発「恒大集団」の財政難。不動産不況に端を発した中国経済の低迷。さらに追い討ちをかけるのが、アメリカ・トランプ大統領が中国に対して課した20%の追加関税。こうした中、今月5日から北京で開催されている中国の国会に当たる全人代で、李強首相は「貿易に立ちはだかる困難を国内経済の復活で乗り切る」と宣言。一方で国民に問題点を訴えた。地方が陥っているという経済の低迷。その実態を探るため、中国南部に位置する広西チワン族自治区の柳州市へ。名物は田んぼや川にいる巻き貝のタニシの身がたっぷり入ったタニシ麺。臭くておいしい、くさうまグルメとして大人気となった。さらに路上で目を引くのがコンパクトEV。小さな電気自動車の生産拠点としても知られている。しかし、この柳州市ではある異変が起きていた。5年前に完成された駅、シャッターが閉じられ、中に入ることはできない。駅構内には券売機や改札が設置されているが、エスカレーターなどは稼動していない。実は、モノレールが運行されるとして完成した後、一度も使われていない。街の中心部で連なる巨大なコンクリートの柱はモノレールの橋脚。しかしその上にはレール部分が設置されていない箇所が。総工費、日本円で約2600億円を見積もり、2016年に始まった公共事業。モノレール整備は4年前にストップしたまま。残された橋脚はまるで巨大モニュメントのように街のあちこちに立っている。モノレールの橋脚が放置され、フェンス等も設置されていることで、道路が狭くなり渋滞が発生していた。さらに交通事故が頻繁に発生。視界を遮り、死角ができてしまった。過去には一部区間でテスト運行まで行われ、市中心部から郊外の空港まで21もの駅で45キロ間を結ぶ予定だった。工事がストップした背景にあるのは、長引く不動産不況。柳州市のような地方政府は傘下にある投資会社を通じて銀行などから資金を調達。不動産やインフラなどの開発を進め、その土地の使用料などが大きな収入だった。しかし不動産バブルは崩壊。柳州市の土地販売取引額は2019年のピーク時に比べ、去年は約85%も減少。財政難の影響を受けた場所は他にも…。蓮の花の名所→4100億円をかけて開発予定だった観光施設。約3年前から工事がストップ。廃墟と化した場所で遭遇したのは牛の群れ。さらに地元の農民が廃墟でバーベキューをしていた。農民たちが口にしたのは地元政府への不満。東京財団政策研究所・柯隆主席研究員は「高齢化が進んでいるので年金基金に地方政府は毎年一定金額の資金を注入する必要がある。注入しないと年金がカットされるから年金生活者は困窮する。だけどそういった資金も不足している」と話した。
大都市でも異変。中国で最も発展している都市上海の郊外には午前4時過ぎにもかかわらず大勢の人が集まっていた。農村部など地方から出稼ぎにきた人が集まる零工市場(零工=アルバイト)。建築や清掃、ベビーシッターなど様々な日雇いの仕事が募集されていて多い日には1000人以上の日雇い労働者が集まる。景気低迷によって大都市でも求人が減るなか仕事の奪い合いが起きる状況になっていた。日雇い労働者韓合金さんのコメント。中国の上海郊外の映像。都市部で若者の6人に1人が失業。この不況を逆手に取ったビジネスも誕生。失業中でも出勤気分が味わえるレンタルスペース。無職であることを知られたくない人、社会とのつながりを感じたい人にニーズがある。1日の利用料金200円(コーヒー付き)。オフィス空室率は大都市で軒並み20パーセント超え。“偽装出勤”ビジネスを経営する社長のコメント。中国・上海の映像。中国国内で厳しい状況が続くなか“景気回復”のカギはどこにあるのか。李強首相は全人代で新たな方針を打ち出した。「民間投資を支持・奨励しより多くの民間資本が重要インフラや社会福祉などの整備に参入するよう導き民間資本により大きな成長空間を与える」。政府が重要だと位置付けたのは“民営企業”。これまで国有企業を重視から民営企業を重視。アリババグループ創業者ジャック・マー氏、ファーウェイ創業者CEO任正非氏、EV大手BYDのCEO王伝福氏と習近平国家主席が握手した。習近平主席は、共同富裕を促進するという心を持ち、中国式現代化の推進に貢献することを願っていると述べた。トランプ大統領の関税という逆風の中、民営企業のちからは内需拡大の起爆剤になるのか。
全人代で行われた政治目標。そこにも変化があった。去年CPTPPの加入交渉を行うことから、CPTPPの加入交渉を積極的に推進するという前向きな表現に変化した。CPTPPは環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定の略。自由貿易協定だ。19年にアメリカがTPPから離脱したあと、日本主導で合意した自由貿易協定だ。去年12月にはイギリスも加盟。12カ国に拡大している。台湾が加盟の申請をしているという。中国のルールを変えて加盟させるくらいの意気込みが必要だと橋下さんがいう。
去年3月兵庫県の元県民局長が告発した斎藤知事に関するパワハラなどの疑惑について調査をしてきた百条委員会が4日「報告書」を公開した。報告書では斎藤知事のパワハラなどの疑惑については、「一定の事実が確認された」とした上で“告発者捜し”や懲戒処分など県の対応については、「公益通報者保護法に違反の可能性が高い」。今回の報告書を受けて斎藤知事は「一定の見解が示されたことは受け止める必要がある。県としては適切だった」と述べた。告発者の元県民局長の懲戒理由のひとつとして、業務時間中の私的文書作成があったことを上げ、倫理上不適切なわいせつな文書だったという。知事は見たことはないという。橋下さんは斎藤さんは知事失格だと思うと述べた。