ニュースウオッチ9 (ニュース)
今年のノーベル生理学・医学賞に大阪大学・坂口志文氏らが選ばれた。坂口志文氏は「有効な治療法は必ず見つかる」などとコメント。日本からのノーベル賞受賞は去年の日本被団協に続き2年連続で、個人では米国籍を取得した人を含め物理学賞受賞の真鍋淑郎さんに続き29人目。日本からのノーベル生理学・医学賞受賞は、2018年の本庶佑さんに続き6人目。記者会見で坂口氏は「大変光栄に思っている」などとコメント。坂口氏は滋賀県生まれの74歳で、京都大学医学部を卒業し、アメリカの大学などで免疫を研究。そして京都大学再生医科学研究所の所長を経て、大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授に。免疫機能が自分の身体を攻撃することで起こる病気の仕組みなどの解明に取り組み、過剰な免疫反応を抑えるリンパ球の一種「制御性T細胞」を発見。さらに制御性T細胞の数を減らしたり働きを抑えるとがん細胞に対する免疫を強化できることや、逆に増やしたり働きを活発にすると臓器移植に伴う拒絶反応を抑える効果があることなども明らかにした。これらの研究成果は免疫に関係する病気の治療・予防につながると期待されている。こうした業績により、坂口氏は過去ガードナー国際賞や文化勲章なども受賞している。