首都圏ネットワーク （ニュース）
日本時間のあさって、いよいよパリパラリンピックが開幕する。視覚に障害がある選手による球技、ゴールボールで活躍が期待されている若手がいる。神奈川県出身で埼玉県に住む鳥居陽生選手は病気のため甲子園の夢を絶たれながらも前を向き続けてきた。視覚に障害がある選手が鈴の入ったボールを投げ合い得点を競うゴールボール。時速60キロ以上にもなる激しいボールの攻防が繰り広げられる。男子の日本代表は去年、国際大会で世界の強豪を抑えて優勝。パリパラリンピックで初の頂点を目指す。チーム最年少、二十歳の鳥居陽生の強みは豊富な運動量。コートを素早く移動してスピードのあるボールを繰り出して相手チームを翻弄。パラリンピックでの活躍が期待されている。幼い頃から野球に打ち込んでいたが高校1年生のとき視界が欠ける難病と診断され甲子園への夢は絶たれた。そうした中始めたゴールボールは野球で培った体力や技術を生かし競技を始めて2年で国際大会に出場。今、鳥居選手が取り組んでいるのはボールの投げ方の種類を増やすこと。地をはうようなボールや高く弾ませるボールなど高低差や緩急を組み合わせることで相手に読まれにくくするねらい。さらに鳥居選手の前向きな性格がチームにいい影響をもたらしている。現在、埼玉県で寮生活をしながらあん摩マッサージ指圧師などの資格取得を目指している鳥居選手。忙しい日々の支えになっているのが家族の存在。押し入れには母からの仕送りがぎっしり。いつも全力でサポートしてくれる母を喜ばせたいと日本代表に決まったときも真っ先に連絡をした。母・千香子さんは「ゴールボールで生きる希望が見えたことがいちばんうれしかった」などと話した。どんなときも前を向き続けてきた鳥居選手。支えてくれる人たちのためにもパリでの活躍を誓います。ゴールボール男子の予選は日本時間のあさってから。Eテレで放送する試合もある。