ホッジ予想

2025年5月6日放送 23:00 - 23:44 NHK総合
笑わない数学 (笑わない数学 スペシャル)

尾形貴弘は未解決問題の1つ「ホッジ予想」について説明する。かつて、数学者のレオンハルト・オイラーは「頂点の数-辺の数+面数はどんな立体図形でも歪に変形した前後で変わらない」と提唱した。導き出される不変量(2)はオイラー数と名付けられている。だが、穴が1つ空いた立体はどんな図形でもオイラー数が必ず0、穴が2つだとオイラー数は-2になる。穴がg個空いた立体に対し、オイラー数は必ず2-2gになる。オイラー数が同じだと、見た目が異なっていたとしても、変形によって同じ形にできることを意味する。尾形はスタッフが用意した複雑な立体の頂点、辺の数、面の数をカウントし、オイラー数=-4と導出。変形すれば、穴が3つ空いたドーナツになると推察した。
ルネ・デカルトは座標を用いることで、様々な図形を数式で表せると気付いた。その後、数学者は数式が何らかの図形を表していると思考するようになった。ただ、数式が複雑であればあるほど、図形の性質は複雑怪奇に。1895年、アンリ・ポアンカレは「図形上に描くことができる”消えない”点、面、輪などの個数が図形を変形しても変わらない不変量」に気づき、それらをベッチ数と名付けた。1925年、ドイツの女性数学者であるエミー・ネーターはベッチ数の背後には数学の言葉、群(コホモロジー)と呼ばれる特殊な概念が隠れていることを見抜いた。コホモロジー研究の第一人者、ピエール・ドリーニュ博士は「コホモロジーを調べると、ベッチ数よりも図形の構造がよく分かる」と話す。
エミー・ネーターがコホモロジーを発見して以降、新たなコホモロジーの発見が続いた。さらにコホモロジーを用いると、数学者を悩ませてきた未解決問題が解けてしまった。20世紀の数学を牽引した天才、アレクサンダー・グロタンディークは「コホモロジーには大本といえる存在があり、それぞれのコホモロジーはその大本の側面を見ているだけにすぎないのでは」と考えた。交響曲にもモチーフと呼ばれる大本の旋律があり、そのモチーフは音程、テンポを変えながら登場する。グロタンディークと交流があったドリーニュ博士は数学におけるモチーフが発見され、数学のさらなる深みを見てみたいと期待する。ちなみに尾形の人生において、39という数字は切っても切り離せず、今後も追い求めていきたいという。


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