世界貿易に大変動 トランプ関税 メキシコの戦略は

2025年2月12日放送 6:35 - 6:42 テレビ東京
モーサテ (ニュース)

メキシコ第二の都市モンテレイは近年メキシコ経済を引っ張る成長エンジンとして存在感を高めている。現地の金属加工メーカー「アステク・テクノロジーズ」を訪ねた。アステクは1994年に創業。従業員500人以上が自動車や産業機械、インフラ向けの金属部品を24時間体制で作っている。会社を率いるオチョワCEOは今需要が急速な勢いで伸びているという。米中関係の悪化を受け各国の企業がアメリカ輸出向けの生産拠点をメキシコに移している。特にアメリカとの国境に近いモンテレイでは外国への輸出が大幅に増加。いまや世界のサプライチェーンになくてはならない存在に成長しているが、アステクは売上の7割を北米の顧客に依存、原材料とする鉄鋼のおよそ40%もアメリカから輸入している。オチョアCEOはこれまで将来の需要を見込んで設備投資や人材の確保に多くのコストをかけてきたが、目まぐるしく変わる貿易環境を前に戦略の見直しを迫られている。アステクテクノロジーズ・フアンオチョアCEOは「今後アメリカとの取引が少なくなれば新たな市場を開拓する必要がある」などとコメント。メキシコを標的とした関税に不安を抱えるのは現地企業だけではない。モンテレイ郊外の工業団地を訪れると、敷地内には巨大な工場や倉庫がずらりと並んでいた。すると目の前に現れたのは中国の国旗。実はこの工業団地は中国とメキシコの合同資本による事業で、東京ドームおよそ180個分の広大な土地に中国企業20社が進出している。メキシコ側のトップ「ホフサン・インダストリアル・パーク」のセサルサントスさんは「世界最大の市場であるアメリカへ輸出するために拠点を構えている」など話す。団地には医療機器やオフィス家具、家電メーカーなど様々な業種の企業が進出している。世界的な家電メーカーも工場を設置している。これらの企業はアメリカがトランプ第1次政権から課してきた対中関税を避けるため、アメリカとFTAを結ぶメキシコで生産している。メキシコでの存在感を高める中国企業。工場などの直接投資はアメリカや日本と比べてまだ少ないが、ここ10年で10倍近くに増えている。これに対しトランプ大統領は「中国はかつてない規模でメキシコに工場を造ろうとしている」などとコメント。メキシコに拠点を置く中国企業が関税逃れの迂回輸出を行っていると主張、し締め付けを強めている。トランプ政権はメキシコに対し25%の関税を3月4日に発動すると宣言している。追い詰められる中国企業は今後どこへ向かうのか。サントスさんは「まだメキシコからの撤退を考えている中国企業はいない。メキシコ国内や中南米、ヨーロッパの市場を開拓し、関税が発動されればそちらに販売を切り替える計画だ。」などと話した。


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