NHKニュース7 (ニュース)
中国軍が台湾の周辺で軍事演習を開始したと発表した。就任演説で頼総統が「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」と述べ、台湾は中国の一部という主張をはっきりと退けた。演説のあと、外遊先にいた王毅外相が直ちに反発をした。その後も連日、中国政府からは頼総統の演説を非難する発言が相次いだ。中国政府はさらに、台湾を支援する米国に対しても、きのうまでの3日間、立て続けに全議員や防衛関連企業への制裁を発表している。中国軍が具体的な行動に出るのも時間の問題だという見方も広がっている。中国は頼氏を名指しして「台湾独立は破滅への道だ」と非難を強めているだけに、頼政権に対する圧力はこれまでにないほど高まる可能性がありそうだ。台湾の国防部は日本時間午後6時から臨時の記者会見を開き、中国軍の演習はまだ続いていると明らかにした。あらかじめ定められた突発事態への対処の手順にのっとって、艦艇や航空機、地上の兵力を運用して、中国軍の動きを監視していることなどを明らかにした。出してもよい情報は積極的に公開することで、中国に情報戦の主導権を取らせず台湾の市民の動揺を防ぎ、国際社会に対して、挑発を行って緊張を高めているのは台湾側ではなく中国側であるとアピールしようというねらいがあるようだ。