モーサテ プロの眼
木内さんのテーマは「予想物価と日銀利上げ観測」。日銀は去年の3月にゼロ金利政策をやめて利上げを始めた。木内さんは現状について「国民との対話とか市場との対話で今ちょっと難しい局面にぶち当たっていると思う。消費者物価の実際の上昇率はこの3年間一貫して2%を超えているが、日銀はまだ基調的な物価上昇率には達していないとして、緩和状態は続けるという説明をしている。そうした金融政策の姿勢が国民生活を圧迫するのではという不安を抱いている。日本銀行にとって忠実的な政策金利の水準はインフレ期待を除いた実質金利の水準と中長期物価予想の足し算で決まってくる。今年に入ってから日本銀行のターミナルレートの目線はどんどん上がってきていて、1%半ばくらいを目指し引き上げられてきているが、私は市場の見方が行き過ぎていると思っている。足元の物価上昇率がどうなのか注目されるところではあるが、表面的には4%上がってきてインフレ期待を高めてるということだが、投機的な動きで決まっているコメの価格の影響や輸入物価の影響を受けている食料やエネルギーなどの影響が大きい。グラフを見ると基調的な物価上昇率は下がってきている。コメの価格が落ち着き円安の流れがおさまり輸入物価が下がってくると表面的な物価も下がってくると思う。最終的に日本銀行や市場が考える中長期の予想上昇率はいまの1.6ではなく1%あるいは1%を下回るとこまで下がるのではないかな。日本銀行は物価と賃金の好循環で2%の物価目標を達成できるカギを握るのはサービスと言っている。物価統計でもサービスの上昇率は安定していて、むしろ下振れているので、物価の好循環は実は見えていない。インフレ率の中長期のトレンドは1.6ではなく1%程度、そうするとターミナルレートは1%弱という形になると思っている。さらに日本銀行も実際の物価上昇率が下振れてくることも考慮しながら最終的な着地点を探していくということになると思う。そう考えると、目先の政策については市場は5~6月にかけて追加利上げを予想しているが、ちょっと早すぎると思っていて、7月か9月に後ズレするのではと思う。ターミナルレートも1%台なかばではなくせいぜい1%くらいがターミナルレートとなると、いまの金利も高くてもう少し下がってくる方向に収束していくのではと思っている。」などと述べた。