粗品と絶品クラシック♪読響 (粗品と絶品クラシック♪読響)
今日のゲストナビゲーターは林悠介。1984年生まれ、ウィーン国立音楽大学出身。ドイツのヴッパータール響ほかでコンサートマスターを歴任し、2021年に読響のコンサートマスターに就任。林悠介はコンサートでの熱いエモーション、一緒に作り上げようというパワーが読響の素晴らしい所だと話した。今日最初に演奏するのはコルンゴルト作曲「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」。オーストリア出身のコルンゴルトは少年時代から才能を開花、モーツァルトの再来とも称された。23歳で代表作の歌劇「死の都」を作曲。ナチスの台頭によってアメリカに亡命してからはハリウッド映画の音楽を手がけ、アカデミー賞作曲賞を受賞するなどキャリアを築いた。戦争終結後にヨーロッパへ帰った時、ヨーロッパでは前衛的な音楽が流行っていたため、コルンゴルトの音楽は時代遅れ、映画に魂を売ったなどと言われたという。コルンゴルトの名前は死後、一度忘れ去られてしまったが、その後再評価が始まり、むしろ時代を先取りした人となった。林悠介はロマンチック・甘美・都会的で美しい旋律がたくさんヴァイオリン・ソロに出てくると話した。今回、ソロを務めるのはオランダ・アムステルダム出身のロザンネ・フィリッペンス。使用楽器は1727年製のストラディヴァリウス“バレーレ”。ストラディヴァリウスは17~18世紀のイタリアの職人のアントニオ・ストラディヴァリと2人の息子が製作した弦楽器。林悠介は今から300年前に作られた楽器だが、現代から見てもヴァイオリンの完成形として評価されている、表現の幅を広げられるポテンシャルを持っていると話した。