モーサテ 深読みリサーチ
今回のテーマは「低迷続いたJ-REIT 上昇局面へ転換あるか」。投資家から集めた資金で不動産に投資し、そこから得た賃貸料収入や不動産売買による利益を投資家に「分配金」として還元。REIT自体が上場して価格が変動する仕組み。SMBC日興証券・鳥井裕史さんは「東証REIT指数を見るとパフォーマンスとしては良くなかった。理由としては10年国債利回りなどの金利上昇を呼び込むようなかたちで投資価格が下落した。その結果分配金利回りは5%を超える水準にまで上昇した。REITの分配金利回りは長期金利に連動する傾向があり、投資口価格を押し下げる要因となった。金利以外の要因としては個人向けJ-REITや特化型投資信託の流出が続いたこともあげられる。理由としては新NISAだが、まず積立投資枠にJ-REIT特化型信託は対象外ということと、成長投資枠では毎月分配型は対象外。毎月分配型の投資信託が多いJ-REITや特化投資は新NISAの対象になっていなかったということで資金流出超過・投資口価格下落の大きな要因になったとみている。」、「過去のJ-REIT分配金利回りと長期金利かなどから逆算すると現在の東証REIT指数1600ポイント台というのは上昇金利が1.8%程度にまで上昇するのを織り込んだ状況と見ている。現在長期金利自体は昨年までの投資口価格下落で金利上昇は十分織り込んだとみている。NAV倍率は割安感。各REITもしっかり認識されていて自己投資口の取得についても2024年は過去最高の実施件数になっている。」、「注目セクターはまずはオフィス。コロナ禍からの脱却によってオフィス需要は伸びている。個別ではオフィス型だが、ホテルも強いのでそれらを組み合わせた総合型REITが堅調とみている。RevPAR推移を見ると高い伸びを示しているので増配を期待できる。」などと述べた。