日曜報道 THE PRIME (ニュース)
12日、小池都知事は「東京大改革3.0を進めていく」と出馬表明。蓮舫参院議員も「都民のために無所属というかたちを選んだ」と会見し立憲民主党に離党届を提出。この2日後、ほぼ同時刻に2人が会見するという異例の事態に。毎週金曜日午後2時から行われている東京都の定例会見。笑顔で席に着いた小池氏。その3分後、日本外国特派員協会で会見に臨んだ蓮舫氏。小池氏は蓮舫氏の「小池都政をリセットする」発言について「今の都政の流れを加速前進させることが都民にとってプラス」などと述べた。一方蓮舫氏には、民主党政権時代の事業仕分けでの発言を思い出させるような質問が。「知事でなければいけない。議論をしてそれを政策としてあげて最終的に知事が決定するという都政をしたい」などと述べた。争点について、小池氏は「首都防衛」、蓮舫氏は「明治神宮外苑の再開発計画」。公約の発表は、小池氏は18日、蓮舫氏は来週早々とした。両者は戦い方も対照的で、小池百合子都知事はAIゆりこでSNSを活用し政策をアピール。蓮舫氏は街頭でアピール。政治アナリストは、焦点の1つが国政の影響だと指摘。都知事選をめぐっては小池氏に対し自民党や公明党などが自主的に支援する方針。蓮舫氏に対しては立憲民主党や共産党などが支援する構え。
都知事選挙と国政の関係が顕になったのは1995年。時の政権は社会党、自民党、新党さきがけが連立した村山内閣。1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件。災害・事件対応から村山内閣の支持率は低下。その中で行われた都知事選挙の決め手となったのは無党派層だった。当初は元内閣官房副長官で自民党などの推薦を受けた石原信雄氏が当選有力視されていた。
前参議院議員の青島幸男氏が無所属で出馬。青島氏が掲げた公約の1つは世界都市博覧会の中止。無党派層がこの公約に共鳴し2位の石原信雄氏に約46万票差で当選。
1999年も国政が東京都知事選の行方に大きく影響を及ぼした選挙だった。日本は金融危機真っ只中。1997年北海道拓殖銀行破綻。山一証券自主廃業。景気の低迷が続き1998年橋本首相退陣。その後小渕内閣誕生も低迷。1999年の東京都知事選で森喜朗氏は明石康元国連事務次長を擁立。都知事退任を決めた青島幸男氏は後継に鳩山邦夫氏を指名。国政の混乱が招いた有力候補者の乱立。石原慎太郎氏が出馬を表明。石原慎太郎氏は2位に大差を付け圧勝。都民が求めたのは強いリーダーだった。2015年国はディーゼル車の排出基準の強化を実施。2012年に尖閣国有化。政治アナリスト・伊藤惇夫氏は「石原氏が知事になることで知事が国に対して堂々と注文を付けられるという実例を作った」とコメント。
今回の都知事選挙で立候補予定者が掲げる公約とは。中央大学・佐々木信夫名誉教授は「(都知事が行う)都市の経営は経済都市の側面をクローズアップするか、生活都市の側面をクローズアップするか(どちらか)」と話した。経済重視か生活重視か。知事によって都政は振り子のように交互に振れていた。石原都政を引き継いだ猪瀬氏は経済都政を重視、その後の舛添氏は生活重視。小池都政はどっちつかずの状態。今回の都知事選挙の立候補予定者は史上最多。現職の小池知事や蓮舫氏の他にも元航空幕僚長・田母神俊雄氏、広島・安芸高田市・石丸伸二前市長など50人以上が立候補表明。