ニュースウオッチ9 (ニュース)
コメの価格高騰が続いているが、国はきょう備蓄米を市場に放出する方針を正式に発表した。その量は21万トン。茶わんで表すと32億杯分にも及ぶ。来月半ばにも放出を始め、農林水産大臣は下旬以降に消費者のもとに順次届くという見方を示した。価格の抑制につながるのか。東京都内にある学生に愛されてきた豚カツ店でもコメの価格高騰の影響が続いている。店では去年秋以降、ごはんの大盛りサービスを中止。客の大半は学生で、価格は変えずに提供している。1日に炊けるコメは値上がり前の半分ほど。きょうもランチ営業が終わる前にごはんが足りなくなった。店主・山路順さんは「腹いっぱい食べられるのをメインでやってきた。何の気兼ねなく飯食べられればいいこと」と語った。高値が続くコメ。きょう江藤農林水産相は政府の備蓄米21万トンを市場に放出する方針を正式に発表し「流通が滞っている状況をなんとしても改善したい。強い決意の数字だと受け止めてほしい」と述べた。来月半ばにも放出を始め必要があれば、さらに拡大することも考えるとしている。入札の対象になる備蓄米。令和6年産米を中心に5年産米も含まれる。初回は15万トンを放出し、2回目以降はコメの流通状況の調査を踏まえて量を決めるとしている。流通の円滑化を目的に政府が備蓄米を放出するのは初めてで、江藤農相は「消費者の手元に届くのは来月下旬以降になる」という見方を示している。江藤農相は「市場、流通が正常化することを願っている」との述べた。きょう決算発表の会見を開いた外食大手・阿部正孝社長は「調達価格への影響を見極めたい」としたうえで「外食だけでなく、消費者目線のなかでもコメがない”という不安感が解消されるのはポジティブなことではないか」と述べた。一方、コメ生産者は「もっと早く放出してくれれば値段がちょっと…。高くなりすぎて。落ち着いてくれればいい」と語った。