NHKニュース7 (ニュース)
ロシアと北朝鮮が軍事支援に関する条約を結んでから1年が経過したのに合わせて、北朝鮮のメディアは今日、北朝鮮とロシアの関係について、真の同盟関係に昇格したと発表した。こうした中、ロシアによるウクライナ侵攻を北朝鮮が支えている実態が、明らかになった。16日夜から17日にかけて、ロシア軍の大規模な攻撃により、ウクライナ・キーウで28人が死亡した。18日にキーウでリポーターの田中顕一さんが、ミサイルの残骸を取材した。それは北朝鮮製のミサイルだった。ロシアは今年3月までの1年半あまりで、北朝鮮から供与された弾道ミサイルを使い、キーウ、ハルキウ、ドニプロなどのウクライナ各地を攻撃した。キーウの犯罪科学研究所のミサイルの調査担当者が、「ロシアは大規模な攻撃をする為の、自国製のミサイルが足りていないのだろう」などと話した。ウクライナのメディアが1月に公開した、ロシアの極東とされる映像には、北朝鮮製の自走砲と見られる物が映っていた。NHKはウクライナ軍の情報機関から、北朝鮮製の自走砲のロシア語のマニュアルとされる資料を入手した。その資料は、ロシア陸軍の砲兵部隊などが作成したとされている。その資料を分析した専門家は、本物と見られるとしている。ロシア軍事に詳しい東京大学の先端科学技術研究センターの小泉悠准教授は、「軍事協力が非常に深いレベルに来ている」などと話した。一方、北朝鮮もロシアから軍事技術などの支援を受けているとの見方もある。北朝鮮は今年4月と6月に、5000トン級の新型駆逐艦を相次いで進水させて、超音速巡航ミサイルなどの発射実験を実施した。韓国の政府系シンクタンクの研究委員は、それらがロシアの兵器と類似していると指摘している。韓国の政府系シンクタンクである「統一研究員」のホン・ミン研究委員が、「北朝鮮がロシアの支援を受けて通常兵器の現代化を進め、それが核兵器にも転用可能な場合、相当な脅威となる」「日米韓3か国は、情報共有・共同訓練など安全保障協力を強化する必要がある」「外交的アプローチを通じて、北朝鮮とロシアの協力を弱めたり、形骸化させたりする取り組みも必要だ」としている。