さわやか自然百景 (さわやか自然百景)
北海道中央部にある大雪山系。その東に位置するニペソツ山は標高2013m。北海道では珍しい険しく尖った山頂が特徴。30万年前の火山活動で生まれ、地表に溢れた溶岩が急激に冷えて固まり脆弱な岩に。山頂付近には崩壊した無数の岩が重なり合う広大な斜面。生息しているのはエゾナキウサギ、エゾシマリス、ウラシマツツジ、ガンコウラン、ハイマツなど。
北海道のニペソツ山。火山活動で流れた土砂などは中腹の斜面へと堆積。標高1150m付近には水たまりがある。くぼみに雨水や雪解け水がたまって出来たものと考えられている。栄養が乏しい環境を好む水草が茂る。水場を求めてアオイトトンボ、オオルリボシヤンマなどの生き物が生息。
北海道のニペソツ山。冷え込んだ山頂では高山植物に霜が。岩場では、雪が降るまでの短い季節を生き物たちが慌ただしく過ごす。火山活動がもたらした多様な自然環境の中で、懸命に命をつなげる生き物たちの姿があった。