台湾から学ぶ “回復力”高める避難所

2025年3月12日放送 4:27 - 4:38 NHK総合
国際報道 世界と防災

きょう3月11日は東日本大震災からきょうで14年。この震災で課題の1つとされたのが避難所の運営。去年の能登半島地震の被災地でも生活環境が悪い中で災害関連死が相次ぎ改善が急務とされている。そうした中、注目されているのが台湾の避難所。去年、台湾・花蓮の地震の際は対応の速さなどスピード感が話題となった。台湾の防災で重要視されているのが回復力を意味する“レジリエンス”。これは東日本大震災の教訓を取り入れたもの。この日、台湾・台南で避難所の開設訓練を実施。僅か7分で約20世帯分の間仕切りが完成、内部には折り畳み式のベッドも設置。台湾の避難所の運営には民間のボランティア団体が深くかかわり協力体制が敷かれている。2015年国連で採択された「仙台防災枠組」は東日本大震災で被災した自治体に負担が集中、「社会全体で防災にあたる」ことが目標のひとつに掲げられた。台湾ではこれをもとに避難所の運営を改善し官民一体で災害からの回復力を高めようとしてきた。台湾最大のボランティア団体では2時間位内に温かい食事を提供し、8時間位内に避難所の完成を目標にしていて、目標達成のために台湾全土49箇所の倉庫に毛布などの備品を備蓄している。これらの備品も利用者にヒアリングを重ね、車椅子の人が使いやすいようにするなど改良を続けている。また食材も大手食料品店と提携しているためいつでもまとまった分量を供給できるようになっている。スピードと質にこだわり避難所を運営する台湾、私たちが学ぶべきヒントの多くがここにある。


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