ニュース 自民総裁選2025
党員票の取り込みに向けて、各候補動画やSNSでの発信を強化。今回の特徴は2つあり、YouTubeなどでの動画での野党とのコラボ。7月の参議院選挙を経て、国会で少数与党となったこともあり、候補者たちと野党の代表などが対談などをする動画の発信が見られるようになった。小林鷹之氏は、日本維新の会・藤田共同代表と対談し、外国人政策などについて議論。茂木敏充氏は、国民民主党・玉木代表などとの動画を発信し経済成長などについて意見を交わした。この動画は野党とのコラボ動画の中で最も多く見られている。林芳正氏と小泉進次郎氏は、藤田共同代表のYouTubeチャンネルで対談。小泉氏はYouTube以外でも、自身のインスタグラムで日本維新の会・吉村代表と大阪・関西万博での視察の様子も発信。少数与党として臨む総裁選挙ということで、安定した政権運営のために野党との連立や連携をどうするのかに注目が集まっていたことを意識した動きだと考えられる。もう1つの特徴は、保守層を意識したような動画発信が目立ったこと。小林氏は外国人を巡る政策を厳格化することを訴えた。高市氏は日本人としての誇りと自身を持つための行動とアピールする動画は、再生回数60万回以上と、今回の総裁選挙に関する動画の中で最も多く再生された。小泉氏は、動画内で外国人受け入れについて不安の解消に取り組むと訴えていた。こうした動画はいずれもスマホで見やすい縦型で、政策ごとに短くまとめるというスタイルになっていて、SNSでの拡散を狙ったものと見られる。専門家は野党とのコラボについて、少数与党の自民党総裁を選ぶというところで、野党との協力を強く訴えることが最終的な投票のカギになってくるからだと話していた。保守層を意識した発信について、参院選で問題提起をした参政党が結果として躍進し、世論の変化の影響を受けていることが分かるという。ただ、SNS世論の動向に注目することは重要だとしながらも、意識しすぎると新しい形のポピュリズムに陥る可能性があるのではとしており、冷静な議論が求められると指摘。