NHKニュース7 (ニュース)
新年度予算案の修正に向けて、自民党、公明党両党と日本維新の会の政策責任者らが相次いで会談した。合意文書の取りまとめに向けて、詰めの調整が続けられている。一方、衆議院予算委員会はきょう、集中審議が行われる予定だったが、自民党旧安倍派の会計責任者の参考人聴取を巡る与野党の協議が折り合わず、きょうの審議は取りやめとなった。教育の無償化や社会保険料の負担軽減など、新年度予算案の修正に向けて協議を進めている自民党、公明党両党と日本維新の会。午前行われた3党の政策責任者の協議では、高校授業料の無償化に関し、石破総理大臣が引き上げる意向を示した私立高校を対象とする支援金の上限額の扱いなどを協議した。日本維新の会・前原共同代表は「納得する合意文書でなければ反対に回ってもいい。これが吉村代表の固い決意」とコメント。役員会では、社会保険料の負担軽減を巡って、「分量が少ない」とか「数値目標を盛り込むべきだ」といった意見が相次いだ。これを受けて、夕方行われた3党の政策責任者の会談では、社会保険料の取り扱いを中心に意見が交わされた。3党は、新年度予算案の修正に向けて、最終的には合意文書をまとめたいとしていて、詰めの調整が続けられている。
「年収103万円の壁」の見直しで、自民党、公明党両党と国民民主党が、きのうに続いて協議。協議したのは、きのう、自民党が示した案。所得税の非課税枠を年収に応じて変え年収200万円以下の人はこれまで政府が示した123万円から160万円に引き上げるなどとしている。国民民主党は幅広い層の手取りの増加につながらないなどとして、一律での引き上げを求めた。3党はあす、改めて協議することになった。自民党・宮沢税調会長は「もし160(万円)で(年収要件をつけず)一律にした場合、所得税収の減は3兆円ぐらい」、国民民主党・榛葉幹事長は「急に話が進んだその裏には、私は信じたくないが、維新さんと自民党がおおむねにぎれそうなので、こういう球を出してきたのでは」と話した。
立憲民主党は、医療費が高額になった患者の自己負担を抑える高額療養費制度を巡り、政府が行うとしている、負担上限額の引き上げを全面的に凍結するための法案を衆議院に提出した。法案では、負担上限額を引き上げる際には、患者の生活の実態調査を行って家計への影響を把握することや、患者や関係者から意見を聞くことを条件にすると規定していて、こうした手続きを経ていないことし8月からの政府による引き上げは凍結されることになるとしている。
衆議院予算委員会では、あす、自民党旧安倍派の会計責任者から参考人として聴取する予定だったが、けさの理事会で、自民党が会計責任者側から実施方法を巡る要望が出されたことを報告し、与野党の協議は折り合いがつかなかった。このため、午前9時から石破総理大臣も出席して集中審議が行われる予定だったが、委員会は流会になった。自民党はきょう取りやめとなった集中審議を来週27日に行うことを提案し、引き続き協議することになった。また自民党は、会計責任者側から、あすの聴取は難しいという意向が示されたとして、延期するよう要請。立憲民主党は、延期はやむをえないとする一方、新年度予算案の採決までに実施するよう求め、自民党は応じる考えを示した。参考人聴取は、来週以降に実施する方向で改めて調整することになった。