グッド!モーニング GOOD!いちおし
関東大震災で破壊された東京・渋谷に大正13年に開発された飲食店街「しぶや百軒店」。その中で一番の老舗が昭和元年創業「名曲喫茶ライオン」。東京大空襲で全焼したものの5年後に再建。店の奥にあるのは巨大なスピーカー。その下には約1万枚のレコードなどが並ぶ。すべての椅子がスピーカー向きになるようになっている。激動の昭和を経て平成、令和の渋谷のけん騒をよそに100年の時がまさに止まっている雰囲気。コーヒーなどの飲み物はメニューにあるが食べ物はない。問題「音楽を楽しんでもらうために店内で禁止されていることは?」。正解「私語厳禁」。昭和の戦時中には「ライオン」という店名が使えず「黒獅子」でやり続けた。当時三国同盟があり、ドイツとイタリアの曲はかけられた。戦後、昭和40年代になると渋谷パルコやSHIBUYA109といった若者向けの商業施設が次々と誕生。渋谷は若者の街へと変ぼう。しかし、時代や街が変わっても創業時から守り続けている音楽の癒やしの空間がここにはある。名曲喫茶ライオンのコーヒーは2回沸かして煮出し布製フィルターで抽出している。