NHKニュース おはよう日本 能登半島地震1年
おはよう日本では、石川県輪島市町野地区にある、地区で唯一のスーパーマーケットを継続して取材してきた。地震前はおよそ2000人が暮らしていた町で、80年近く営業を続けてきた店だが、去年9月の豪雨で営業休止に。その後、多くの人に支えられながら、町の人たちと共に歩んでいく姿を伝えた。去年の11月、店は営業再開した。店主と住民たちの日々の記録。去年11月末、店がおよそ2か月ぶりに営業を再開したときの様子。3代目店主の本谷一知さん。先月、店を訪れると、雰囲気は変わっていた。例年であれば店内がにぎわう年末に向かう時期、本谷さんは地震前との違いを感じていた。
石川県輪島市町野地区にある、地区で唯一のスーパーマーケット。50年間、店を利用し続けてきた堀江政子さん(77)。地震で自宅が半壊し現在、店の近くにある仮設住宅に住んでいる。去年6月、夫が持病の悪化で亡くなった。毎日作っていた料理は、ほとんどやらなくなったという。今、堀江さんは週3回ほど店に通うが、買い物は必要最低限に。店を利用する住民の数は地震前の5分の1に。スーパーを営む本谷さんは店が存続できる道を決断した。従業員を15人から3人に、店のスペースを3分の1に。町外から訪れる人たちに活路を見出した。店の空いたスペースに人々がくつろげる環境を整える取り組みも始めた。メディア対応も積極的に行っている。去年12月31日、本谷さんの呼び掛けで、住民たちが炊き出しの年越しそばを食べた。