ガイアの夜明け シーズン2025(1) 理想の介護社会へ
訪問介護とは要介護者向け介護保険サービスで、費用の1~3割を利用者が負担。残りは税金と介護保険料で賄われる。世田谷区の事業所「わかば」では閉鎖が決定。訪問介護の売り上げはピーク時の4分の1に。原因は国の制度改定。訪問介護はケア時間や報酬が細かく決められていて、現在の制度では件数をこなすことを強いられるように。時間当たりの報酬も制度改定により引き下げられてきた。これまで負債額を経営者らが負担してきたが、限界を迎えたという。
閉鎖が決まった訪問介護事業者「わかば」。その小河ヘルパーが担当している佐藤さん(仮名)は50歳。ほとんど部屋から出ない生活をしているのは、糖尿病の悪化により目が見えなくなったため。同居していた母が亡くなり、わかばを頼ったという。週5日・8時間以上の労働に対して、報酬は月10万円ほど。大掃除はサービス対象外だが、わかばは無償で行っている。小河さんは就職氷河期世代。いろいろな事業所を点々としてきた。
閉鎖が決まった訪問介護事業者「わかば」。経営する辻本さんは、ヘルパーたちの受け入れ先を探していた。去年6月の閉鎖を予定していたが、交渉相手との決裂により延期。雇用条件などで折り合えなかったという。10月、障害福祉事業を行ってきたNPO法人と交渉。新たに訪問介護事業を請け負うことは相手にとってリスクを伴う決断だが、志は同じということで交渉継続。