未解決事件 File.05 ”存在しない子どもたち”
大阪・八尾市の集合住宅で、管理人の男性はコンクリートのケースのようなものを見つけた。歪みなどは全くなく、プロの左官が手掛けたような仕上がりだったという。不審に思って警察に通報したところ、「処分していい」と言われた。だが、男性は再調査を求め、確認した警察官はわずかな異臭を感じた。X線の画像診断などで、ミイラ化した遺体が見つかった。遺体を遺棄したとして少女の叔父が逮捕され、「姉の娘をコンクリート詰めにした」などと供述。2007年頃、当時6歳で絶命していたとされる。当番組では少女の足跡を辿ろうと試みた。04年頃、母親が家を出ていき、少女は祖父と暮らし始めた。1歳半、3歳のときに乳幼児健診を受けた記録はなく、幼稚園、保育所に通園していなかった。祖父が児童相談所に頼った形跡もなかった。
八尾市は04年、行政判断で住民票を削除する「職権消除」をしていた。実は住民票の削除を申し立てていたのは祖父で、市はそれに従って手続きを進めた。検診、入学などで自治体が少女を把握する機会は失われ、少女は社会的に存在しない子とみなされた。だが、05年3月、少女は祖父とともに救急外来を受診。住民票を失うと国民健康保険の場合、加入資格がなくなる。だが、保険証の有効期限内であれば第三者が気付くことは難しい。翌年、祖父が面倒をみられなくなったとして、叔父に引き取られた。暴行を加えられ、亡くなったとみられる。祖父と相談すると、コンクリート詰めを提案されたという。叔父は逮捕され、祖父は書類送検されるも不起訴に。今は福祉施設で暮らし、少女といっしょに写った写真に手を合わせているという。現在、自治体では状況が確認できない児童について、目視による調査を実施するなどしている。
