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鎌倉時代の天才仏師・運慶、今回は運慶仏像と女性のつながりを紹介する。神奈川県立金沢文庫では特別展「運慶−女人の作善と鎌倉幕府」が2025年2月2日まで開催されている。学芸員・瀬谷貴之さんによると、鎌倉時代には女性が仏像や寺の政策を依頼するなどの力があったという。北条政子の仏像で十二神将立像は健康をつかさどる薬師如来に仕える武装した守護神で12体で一番大きく作られた巳神は蛇をつかさどる存在。巳神がひときわ目立つ理由は、北条政子が巳の刻に子どもを産んだことから安産祈願やお礼のために作った仏像だといわれ、そのとき産まれた三代将軍、源実朝ゆかりの像として知られる。健康を祈るために作られた大威徳明王像も玉眼で唇の色や首飾りは当初のまま残され、運慶が作ったとわかるものでは最晩年の仏像。2007年に保存修理のため分解された際仏像内か巻物などが取り出され実朝の教育係大弐局が依頼、将軍の息災を祈って依頼されたものだとわかった。横須賀美術館で展示中の5体も女性が依頼して運慶が作ったことがわかっている。不動明王立像は月輪形銘札に三浦一族の武士和田義盛と運慶の名前があるが和田の妻小野氏も共同で制作を依頼したと書かれていたという。鎌倉時代は戦乱の時代で男のほうが早く亡くなることが多く女性が夫・子どもの供養のため作らせることが多かったという。今回紹介した特別展は来年2月まで行われているが年末年始はお休みのため注意が必要。