ニュースウオッチ9 (ニュース)
女性に対する性暴力だったとして、第三者委員会から企業体質を厳しく追及されたフジテレビ。きょう女性が「調査報告書で初めて知った事実も多く、改めてやりきれない気持ちにもなっている。失ったものが戻ってくることはない」とコメントを寄せた。フジテレビは、再発防止策を作り、人権やコンプライアンスを尊重する姿勢を示しているが、コマーシャルの再開は、依然見通せない状況。元フジテレビの女性アナウンサーが、代理人の弁護士を通して出したコメントを紹介。第三者委員会の会見の映像。きのう会見を開いた第三者委員会。第三者委員会・竹内朗委員長は「被害を受けた女性に関しては、被害者に寄り添わない、2次加害と評価されるものだったとの評価を加えている」と述べた。中居正広氏と女性とのトラブルについて「業務の延長線上における性暴力だった」という判断を示し、当時の港浩一社長ら取締役会メンバーの経営責任は重いと結論づけた。報告書は「ハラスメントに寛容な企業体質と指摘したほか、類似した重要な事案が2件あった」としている。フジテレビ側は「ハラスメントがあったかどうかを調査し、関係者の処分を行う考え」を示している。さらに報告書で明らかになった中居氏とフジテレビの元編成部長のやり取りを紹介。中居氏と元編成部長のやり取りなどについて、女性はきょうのコメントの中で「調査報告書で初めて知った事実も多く、改めてやりきれない気持ちにもなっている」と触れている。フジテレビを巡って、きのう公表された報告書。どう受け止めているのか街頭で聞いた。厳しい目が注がれる中、スポンサー企業はどう対応していくのか。企業からは、再発防止策の取り組みの状況を見極めたいという声が相次ぎ、コマーシャルの再開は依然、見通せない状況。日本生命「会社の今後の動向、対応を見極め、ガバナンス上の問題が解決されるとともに、当社の人権方針に照らした懸念が払拭されるような状態になったと判断されれば、再開を検討」。トヨタ自動車「お客様やステークホルダーの皆様から共感を得られる形で行っていきたいと考えている」。ホンダ「今後の対応は総合的に判断していくが、現時点で決まったものはない」。味の素「再開の判断基準は人権尊重に関するグループポリシーを踏まえ、総合的に判断」。リクルート「今後の再発防止策の進捗なども踏まえ、総合的に判断して決定」。アサヒグループホールディングス「今後どのように人権問題に対応していくか、さらに実現されているかを確認したあとに再開を検討」。きょうフジテレビ・清水賢治社長は、きのう発表した再発防止策がCMの再開につながるか問われたのに対し「人権に対する策を組織に根付かせることが大事。そこをしっかりやっていく」と述べた。女性は、きょう出したコメントの最後を「私が受けた被害は、一生消えることはなく、失ったものが戻ってくることはない。このようなことがメディア、エンターテインメント業界だけでなく、社会全体からなくなることを心から望む」と結んでいる。女性の代理人の弁護士は「人生の再スタートのために、前を向いて歩んでいくのを今後も支えていきたいと思う」とコメント。フジテレビに対しては、総務大臣が必要な対応を速やかに検討したいとしている。フジテレビは、再発防止や企業風土の見直しに向けた改善策を進める計画を明らかにしているが、理解を得られるのか具体的な行動が問われている。