報道ステーション (スポーツニュース)
五輪出場選手の男女比率は1984年のロス大会では男性77%,女性23%だったのが次回のロス大会では男性49.5,女性50.5と女性が上回る大会となる予定だ。さらに去年のパリ大会では女子1500mに産後1年半の選手が、フェンシングの女子サーブルでは妊娠7か月の選手が出場。パラリンピックではアーチェリー団体の金メダルメンバーに妊娠中のアスリートがいた。世界ではこのように出産と競技の両立が進んでいる。
一方、日本ではまだまだ課題が多いと言う。11年前に出産を経験し、その後東京五輪に出場した寺田明日香は「海外では復帰が当たり前。日本では子どもを置いて協議を優先するのはどうなのかと言われる。」と話していた。海外では出産後8週間かけてアスリートの能力を戻すトレーニングが行われている。トレーニングの重要性を痛感したと話すのは元サッカー日本代表・岩清水梓。産後のトレーニングでは骨盤底筋と呼ばれる筋肉が重要なキーワードになると話した。産前は筋肉の緩みを予防し、産後は緩んでしまった骨盤底筋を回復、強化するトレーニングが中心になるという。
現在、産後5ヶ月だというトライアスロンの稲田悦子は骨盤底筋のトレーニングに手応えを感じていると言う。さらにトップアスリートへの支援も進んできている。ハイパフォーマンススポーツセンターではトレーナーや理学療法士、婦人科、栄養士らが選手にあった復帰プログラムを作成する。先月、レスリング明治杯で東京五輪金メダリストで産後7ヶ月の志土地真優が優勝した。出産と協議が両立できる時代が近づいている中、岩清水は「諦めたくない人は諦めなくていい。競技を続けたい気持ちの日を消さない世の中になれたら嬉しい」と話していた。