サタデーウオッチ9 (ニュース)
育休を取得する人、その業務をカバーする人の不平等感をなくそうと取り組む企業もある。都内にあるガス会社では、一部のグループ会社も含め、業務をカバーした社員の昇進やボーナス査定にその貢献度を加えることにした。きっかけは、7年前から行ってきた社員からの聞き取り。集まった声の中では、同僚への後ろめたさのために育休が取りづらいという不安が多かったという。東京ガス・五嶋希人事部長は「上司も(育休を)取ってもいいと言ってくれている しかしどこか気兼ねが残ることが非常に大きな課題だと浮き彫りになった」という。こうした取り組みで男性の育休取得率は、2019年度に5%だったのが直近では100%に増加。平均の育休期間も3年で3倍の2か月に伸びた。
給料とは別に特別な手当を支給することで不平等感を減らそうという企業も。保険会社「第一生命保険」では、3か月以上育休などを取得した社員の仕事をカバーした場合、そのチームに最大95万円を支給。負担の割合に応じて分配することを決めた。第一生命HD人事企画グループ・櫻井涼輔さんは、ブランドイメージを持ってもらい採用に直結できればいいと話していた。こうした対策は中小企業でも取り組めるよう国がサポートしており、労働経済に詳しい拓殖大学・佐藤一磨教授によると、例えば育児休業や時短勤務の人の業務をカバーした人に対して企業が手当を支給した場合に、国から中小企業に助成金を出す制度もあるという。