ガイアの夜明け ガイアの夜明け
鹿児島市にカルビーのシニアマイスター1号として働く鮫島純昭さん。鮫島さんは仕事の多くを在宅でこなす。本社にいる上司に進捗状況を報告。2月中旬にやってきたのはカルビー鹿児島工場。全国に7カ所あるポテトチップスを作る工場の一つ。1975年に設立され、九州を中心に出荷している。ここは鮫島さんにとっての古巣でもある。現場の後輩たちに声をかけて生産ラインを見て回る。翌日になり、この日は月に一度製造ラインを止めて点検と清楚をする休機日。機械が止まるこの日こそ、鮫島さんがマイスターとしての本領を発揮。鮫島さんの役割は工場の安全を守ることで、起こりうる事故を全員で想定し対策を確認する危険予知活動。鮫島さんがカルビーに入社したのは1976年で、鹿児島工場で初めて始まったばかりのポテトチップス製造に携わった。その後品質管理を長く担当し、定年後は1年単位の契約社員に。しかし24年に制度が始まるとシニアマイスターに任命された。これまでの知識や経験をもとに危険の目を摘むのが鮫島さんの役割。転倒防止や怪我防止のクッションを配置。またジャガイモを選別する工程では装置の点検を行っていた。
ポテトチップスを選別する工程にやってきたが、選別機のメンテナンスが行われていた。担当者に気づいた点を次々に指摘していく。どんな危険も見逃さない鮫島さんのパトロール。それには過去の苦い経験があった。2012年に関西の工場で商品にガラス片が混入した事故。鮫島さんはその工場の品質保証課の課長だった。正確な発生日が不明なため4ヶ月分の534万袋を自主回収。損失額は3億7000万円にも及んだ。会社勤めを続ける夫を支えてきた妻の小百合さんも、元はカルビーの社員だった。小百合さんは今も夫が働き続けていることについては、賛成しているという。鮫島さんは大切にしているものがあり、社長から定年退職の時にもらった感謝状を宝物にしているという。
鮫島さんはこの日出張やってきた。現在担当しているのは西日本の4つの工場。訪れたのは広島みやじま工場で、3ケ月前のパトロールで指摘した場所を確認しにやってきた。以前踏み台を昇り降りしながら作業していた作業員が危ないと感じ、改善後は踏み台は手すりがついて大きく高くなっていた。改善は評価したものの、現場の班長に、自分の経験した事故を起こさないために気づいたことを後輩に伝えていく。カルビーは今後、鮫島さんのようなシニアマイスターを増やしていく方針。定年の延長ではなくこうした制度を選んだ理由には、社員の中でも温度感があり、何歳でもということは必ずしもハッピーではないと感じたためだという。
