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福岡市の書店で開かれた本の出版記念イベント。車椅子で登場したのは、著者のはらだまさこさん。レシピ本のタイトルは「もしもキッチンに立てたなら」。世界中の料理を食べ歩いていたほど、美味しい料理が大好きなまさこさん。店主をつとめる喫茶店では、こだわりの材料を使い手間を惜しまず料理を提供してきた。まさこさんには2人の子どもがいる。左足に違和感を感じたはじめたのは、リンちゃんを妊娠していた頃だった。リンちゃんが1歳になって抱っこから歩けるようになったころ、まさこさんは次第に体の自由がきかなくなるALSと診断された。症状が進行し、少しずつできないことが増えていく日々。子どもたちにご飯を作ってあげられず、心苦しく思うようになったという。包丁を握る、鍋を持ち上げる、そのすべてが難しくなり、2023年11月まさこさんはキッチンに立てなくなった。4歳になったリンちゃん。今ではまさこさんを手助けしている。母親として自分になにができるのか、たどり着いた1つ答えは子どもたちに母の味を残すことだった。自分の料理のレシピをスマホに書き起こしはじめたまさこさん。その数は100を超えて、本にすることが夢になった。構想から1年2か月、まさこさんの夢が1冊の形となった。夢を支えてくれたのは、周りの友人たち。キッチンに立てなくなったまさこさんの代わりに、喫茶店に集まってはレシピを再現してくれた。まさこさんは味見係。レシピ本に載せたのは、子どもたちが大好きな17の料理。家族の味と記憶がぎゅっと詰まっている。まさこさんのレシピ本はすぐに重版が決まり、握手の代わりにハグをするイベントも開催された。
