NHKニュース おはよう日本 (特集)
歌手生活60周年の加藤登紀子。「2025年は私の正念場。60年分歌ってきて“これが私です”と言える年でありたい」と話す。加藤は核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協がノーベル賞を受賞したことをきっかけに、コンサートでは漫画「はだしのゲン」の文章を朗読するようになった。「一緒に生きた人たち、生きられなかった人たちが彼らの心を支えたと思う。私は戦争が終わる少し前に生まれ“へその緒”が戦争とつながっているという意識があり、どうしても気になる」という。朗読とともに大切にしているのが「広島 愛の川」という歌。2012年に亡くなった「はだしのゲン」の作者・中沢啓治が残した詩を元に作られた。中沢の被爆体験と平和への思いが込められている。加藤は国連機関の親善大使として世界各国を回るなど、活動の根底には常に平和への思いがあった。加藤は「どうすれば戦争のない世界を作れるのか。私の人生の出発点からの課題だった。その問いに答えがないかぎり私は問いをやめるわけにはいかない」と話す。ことし行う60周年ツアーは「ForPeace〜80億の祈り〜」。「憎しみの種はそこら中にある。歴史の中に憎しみの種を植え続けてきた。憎しみの種からさえも愛を育むことができるはず。人間のすばらしさはそこにきっとある。私は諦めていない。とても前向きで希望的」と話す。