TBS NEWS (ニュース)
毎日新聞には貴重なアルバムが保管されている。特派員らが戦時中に撮った6万枚の写真。動物を写したものが多く含まれている。人や荷物を運ぶ軍馬、通信に使われた伝書鳩・軍鳩、警備や戦闘に使われた軍犬については敵に噛みつく訓練の様子も。大学4年の冨田萌衣さんは動物の写真や記事を研究している。戦死した動物の墓参りや慰霊祭の写真まで撮られていたことに注目。地図上に整理し、ネットで公開した。動物の写真が添えられた新聞記事を読んでいくと、「ものいはぬ〇〇」との言葉が多く使われていることに気付く。人間のいいように使われてしまいやすい存在だったのではと推測。戦時中の毎日新聞の写真は横浜で展示されている。戦争と動物の特集コーナーではAIでカラー化。また、1枚の写真をもとにAIで動画生成。80年前の戦場がリアルに感じられる一方で戦時中にはびこるフェイクについても考えさせられる。専門家は当時の新聞写真には軍部が意図的に撮らせたものも多いという。戦死した馬の墓参りの写真だが、よく見ると墓石の後ろで敬礼しており、軍の報道班が撮らせているのだろうという。軍犬は教科書にも登場。”ものいはぬ”動物は戦意高揚に利用された。冨田さんは「自分の研究が戦争を支えた構造を考えるきっかけになれば」と話した。