ダーウィンが来た! 第2章 ヒナに試練が!
6月上旬、ヒナの大きさは倍以上になっていた。ヒナの成長に合わせて巣には大きな獲物が頻繁に運ばれてくるようになった。6月下旬、ヒナが羽ばたきの練習を始めた。母も食欲旺盛なヒナのために、頻繁に狩りに出るようになる。ある日、3羽のうちの1羽のヒナが巣から落ちた。落ちたヒナは1週間後、草の陰で冷たくなっていた。厳しい自然を生き抜くことはできなかった。丸呑みにできない大物は食べるのに時間がかかり、天敵に襲われる危険がある。そのため地面では小さなものしか食べられず、結果的に食べ物が不足したという。また、巣にいるヒナもオオタカなどに襲われる可能性がある。
7月上旬、巣にいるサシバの2羽のヒナの1羽は巣立った。残りの1羽もアオダイショウから逃げるように飛び立った。親鳥から食べさせてもらえるのは2週間ほどで、そのあとは一人で狩りの技を磨いていく。
9月、長野県・白樺峠にサシバたちが集まってきた。1日に最大で千羽以上のサシバが通過していくという。10月、奄美大島にサシバが戻ってきた。また、今回のGPS調査で、サシバのほとんどが再び奄美大島に戻ってきたことが判明した。