日本では救えない〜小児がん医師の苦悩〜

2024年6月22日放送 4:51 - 5:07 テレビ朝日
テレメンタリー2024 (テレメンタリー2024)

名古屋大学病院の医師の高橋義行さんは小児がん治療で国内トップレベルの実績を持つ小児科医で医師をしている。その苦悩は海外なら救える命が日本では救えないということ。名古屋大学病院で治療をうける久保田ちひろちゃんは埼玉県から一時的に病院内の施設に移り両親と生活している。保育園に通っていた3歳のときに神経の細胞にできるガンの神経芽腫を発症していることがわかった。幼児に多い神経芽腫は、発症する数は年間100人と言われる。ちひろちゃんは最も治りにくい高リスク群に分類され名古屋大学病院に転院した。2年間の闘病の末退院をしたが、去年に埼玉でうけた定期検査で再発していたことがわかった。一縷の望みをたくして再び名古屋大学病院に入院した。
去年のクリスマスには、国内でガンの進行を止める方法は残されていなかった。高橋さんは白血病など、がん治療の研究をつづけてきた。10年ほど前から注目しているのはCAR-T細胞療法。まず患者の血液からがんやウイルスを抑制する力をもつT細胞とりだし、ある遺伝子を細胞に組み込むことでがんを認識する最強のレーダーのCARが取り付けられる。これがCAR-T細胞で、細胞を培養して薬として患者に投与し、CAR-T細胞ががん細胞のもつ物質を目印にガンを消滅させる。神経芽腫などの様々ながんに応用が可能。神経芽腫はまだ動物実験の段階で、去年4月には高橋さんが研究している神経芽腫のCAR-T細胞療法でイタリアの病院が臨床試験の結果を発表した。ちひろちゃんの両親はインターネットでCAR-T細胞療法を知りイタリアでの治療を希望し、支援の輪が広がった。
目標金額を大幅にこえ、イタリアでの治療ができることになったちひろちゃん。ヨーロッパを代表する病院のバンビーノ・ジェス病院は神経芽腫のCAR-T細胞療法で臨床試験の結果を発表した病院。ガンが再発し7ヶ月経過したがCAR-T細胞の投与が始まった。バンビーノ・ジェス病院の運営母体はバチカンのローマ教皇庁で病院の中に研究所があり新薬の開発や臨床試験まで行う。海外で希望の治療を全ての子どもが受けられるわけではない。神経芽腫を発症した女の子は三歳から治療しているが、がんは頭の骨や足などに転移していた。CAR-T細胞療法を知った時にはすでに体にがんが多くの場所に転移し治療をしても効果が得られない状態になっていた。
この日高橋さんはがんで子どもを亡くした子どもたちの会合に招かれた。四人全員が高橋さんが主治医を務めたこどもたち。新しい治療法を少しでも早く日本に受けられるようにしてほしいという思いを伝える会で、高橋さんが参加するのははじめて。


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