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長年カトリックの信仰を心の支えに生きてきた田中時枝さん。10代で受けた性暴力のトラウマを誰にも話せないまま抱えてきた。50代の時に外国人神父と出会い思いを打ち明けるも、神父から“トラウマの治療”と称し性的暴力を受けたことを語った。鈴木ハルミさんは1977年に宮城県内の教会で日本人司祭から性暴力を受けた。世界中で深刻な問題となっている聖職者の性虐待。2002年にはアメリカで130人以上の子どもが神父から性虐待を受けていることが発覚。教会が長年隠蔽していたことも明らかになった。日本カトリック司教協議会には未成年者への性虐待が国内でも過去に報告されていたことが記されている。田中さんも2018年に被害を訴えたが修道会からは心のケアはなく直接の謝罪もないまま神父は帰国したという。今年5月、レオ14世が選ばれた。
被害を受けてから約10年、田中さんは長女に胸の内を打ち明けた。長女はその言葉を静かに受け止めた。田中さんは「わかちあえばいいんだ、というふうに娘から学んだ。孤独だったら気づけなかった」と話す。2023年に田中さんは修道会などを相手取り損害賠償を求め提訴。これまでの裁判で修道会側は、田中さんの訴えに対して争う姿勢を示している。ローマ教皇庁にも手紙を送っている。