モーサテ プロの眼
「日本のAI 今後の勝ち筋」について、佐藤将高は「いわゆる国産AIは日本だけではなく、どの国でも自国のデータや技術を使って主導権を持ちたいと考えている。ただどの先進国でもAIの完全需給は難しい状況。他国に依存しながら強みを活かしていくことになるが、どこの強みを活かすかが勝負になっている。日本は産業用ロボットや製造装置に強みがあり、一方クラウドやモデルは海外に依存している。アメリカはAIモデルやアプリ開発に強みがあるが、半導体製造は台湾に依存している。中国は巨大な内需とAI応用に強みがあるが、先端半導体は製造に制約が残っている。台湾は半導体製造に強いが、クラウド基盤の上位はアメリカ企業が握っておりアメリカに主導権が集まりやすい状況になっている。AIは大きく分けて「運用と現場(改善し続ける仕組み)」「データとモデル(越境・ガバナンス含む)」「計算資源(半導体・GPU・データセンター・電力)」の3階層がある。日本の場合は「データとモデル」「計算資源」に海外が混ざってくるが、無理に完全自給を目指さず海外の良いものは使っていったほうが良い。日本が強みを持てるのは「運用と現場」で、運用改善の力が日本にはある。フィジカルAIには今追い風が吹いており、AIの進化が日本の強みを活かせる状況になってきている。日本の大企業には何十年分もの知見があるが、製造業においては不具合対応や設計変更の記録、金融においては審査の判断の履歴などがある。やっかいなのは十分に整理されていないということだが、ただAIは進化しておりデータを集める仕組みを持っている会社が一気に有利になるとみている。ただAIが解釈しても現場で実行できなければ強みにはならず、改善し続ける仕組みを構築する必要がある。日本の強みをまとめると「運用」「保全」「組み込み」の3つ。これらは他の国には簡単に真似できず、一朝一夕には手に入らない。ファナックはAIで機械の異常が起こる前に検知する部分が強み。さらにエヌビディアとの協業を発表し、人が話して指示するAIロボットを開発している。キーエンスは画像認識AIが強みで、売上総利益率84%を叩き出している。人材と組織に投資しなければこういった優位性は崩れるため、少子高齢化の中で強みを残す場所を間違えないことが大事になってくる。
