東京都で初の訓練 “火山灰”から道路復旧

2025年10月23日放送 21:28 - 21:35 NHK総合
ニュースウオッチ9 (ニュース)

富士山で大規模な噴火が発生した際、火山灰が都内の道路にも降ることを想定した訓練を東京都が初めて行った。道路に10cmほどひかれたのは火山灰に見立てた砂、道路が通行できるように復旧させる訓練を東京都が初めて行い、職員ら約30人が参加した。片側二車線の砂を重機で中央側の一車線に寄せた後、運転手が車から横断歩道やセンターラインが見えるかなどを確認。今回の訓練は、ことし5月に東京都が地域防災計画を修正し、富士山噴火による「交通インフラ対策」が盛り込まれたことから実施された。
実際に富士山で大規模な噴火が発生した場合、街はどうなるのか。内閣府はことし8月シミュレーション動画を公開、1707年の「宝永噴火」と同程度の噴火が発生して首都圏などに火山灰が積もる想定の内容。富士山から約100km離れた東京新宿区では、細かな火山灰が5センチ以上降り積もる。場所によっては、建物倒壊・物流停滞のおそれがあることが動画で表現されている。影響の範囲は時間と共に広がり、噴火15日目には首都圏全域に広がっていることがわかる。
火山灰による交通機関への影響については、国の検討会が具体的にまとめている。鉄道は、レールに0.5ミリの火山灰が積もるだけで、運行停止され運行システムに障害が出るおそれがある。航空機は、エンジンが火山灰を吸い込むと最悪の場合、停止するおそれがあり。空港の滑走路も閉鎖される可能性がある。道路に火山灰が1ミリ以上積もると、車が出せる速度は時速30キロ程度、10センチ以上積もると通行不可になるとしている。鹿児島の桜島では爆発的な噴火で、大量の火山灰が道路に降り積もった。去年静岡県で行われた火山灰が積もった道路を実際に走行する体験会では、火山灰を厚さ約10cmほどに敷き詰め長さ20mの斜面のコースを車両が走る。四輪駆動車はスムーズに走行したが、前輪駆動車はタイヤがスリップし坂を上りきれす途中で止まってしまった。道路の安全を確保するために必要な火山灰の除去。高速道路でも対策が検討されている。東日本高速道路では、除雪車を活用し路肩によけた火山灰をダンプカーで運搬することにしているが、置き場の確保など処理が課題だという。
さらに、火山灰による停電の他、アンテナに付着することで通信障害が発生するおそれも指摘されている。企業が東京大学と合同で開発したのは、圏外でも位置情報を把握できるシステム。小型のセンサーを使い、スマートフォンが発する微弱な電波を捉え建物のどこにどれだけ人がいるか分かるという。自治体が避難所の混雑状況を確認したり、人が滞留している場所を把握したりすることで、物資の配給や避難誘導に役立つという。気象庁は降り積もる火山灰の量について「警報」など情報の導入を検討しており、予測システムの開発も含め数年後の運用開始を目指すことにしている。


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