スポーツ×ヒューマン “沖縄バスケ”その魂をつなぐ バスケットボール 岸本隆一
2月、琉球ゴールデンキングスはBリーグ西地区首位を走っていた。キングス一筋13年の岸本は、身長1m76cmとバスケットボール選手としては小柄だが、予測しがたいプレーでコートを支配していた。岸本の代名詞は通常のスリーポイントよりも遠くから狙うディープスリー。スリーポイントの成功数はBリーグ史上2人目となる通算900本に到達した。バスケットボールは沖縄で最も人気のあるプロスポーツ。戦後27年間アメリカの統治下にあった沖縄で、琉米親善として基地で暮らす人との試合も盛んに行われた。岸本は沖縄バスケと呼ばれるスピリットを大切にしてきた。沖縄バスケのレジェンド金城さん擁する辺土名高校は、平均身長が1m70cmに満たないにも関わらず、1978年の全国高校総体で3位に輝いた。小柄だった岸本はそんなバスケに憧れ、金城さんが監督を務める高校に進み、プレーに創意工夫をすることを学んだ。