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米国大統領選挙で大きな争点になっているイスラエル政策。影響を与えようとしているのが、米国最大のユダヤ系ロビー団体AIPAC。連邦議会選挙でイスラエルに批判的な候補を落選させ、自分たちの立場を代弁する候補を多く当選させることで新たな政権の政策にも影響力を持とうとしている。この夏、連邦議会下院選挙の予備選挙の候補者を激しく非難するテレビコマーシャルが流れた。制作したのはAIPACが立ち上げた選挙資金集めの団体。AIPACは親イスラエル政策を掲げる政治家を議会に送り込むことを活動の目的の一つにしている。今回の連邦議会選挙の予備選挙でAIPACの支援を受けて勝利した候補者は計322人。ニナ・ターナー氏は過去に2度攻撃されたといい、肌の色について攻撃されたというガーディアン紙の記者は、こうした活動が米国の政治家の間にイスラエル批判を控える雰囲気を醸成していると指摘する。
イスラエル軍のガザ地区への攻撃を巡ってはイスラエルに軍事支援を続けるバイデン政権に反発する声が各地の大学などで拡大し続けてきた。怒りは米国のイスラエル政策に影響を与えてきたAIPACに対しても広がっている。そうした中、存在感を高めているのがAIPACと一線を画すリベラル系のユダヤ系ロビー団体、Jストリート。2008年に設立されオバマ元大統領との強い結びつきで知られている。イスラエルを支持しながらもネタニヤフ政権の政策とは距離を置き、即時停戦とイスラエルとパレスチナの2国家共存を目指している。連邦議会選挙で、民主党などのリベラル派の候補150人以上を支持している他、大統領選挙ではハリス氏への支持を明確に打ち出している。Jストリートが力を入れているのが若い世代への働きかけ。各地の大学に出向きイスラエルとパレスチナの2国家共存への理解を広めたり支持する候補への投票を呼びかけたりしている。去年10月以降、Jストリートへの活動に共感する若者が増えている。