時論公論 (時論公論)
不登校の小中学生が過去最多を更新し続けている。不登校の理由は様々で、「無理をして行かなくてもよい」という親世代の意識変化もあるとみられるが、文部科学省の調査では「学校生活に対してやる気が出ない」が最も多かった。「発達障害やその疑いを含めて特別な教育的支援の相談の有無」は新規の調査項目で7%となった。このような子どもは35人学級で1クラス3人いると推計されている。こうした中、教育の枠を超え専門的知見を医師からのアドバイスを受けながら不登校対策に取り組んでいる自治体も出始めている。岐阜・美濃市では教育医療連携が始まり、美濃中学校では医師が月に1度不登校アドバイザーとして相談会を行っている。
不登校理由には教育現場だけでは解決が難しい理由も加わり複雑化している。美濃市では学校内に子どもの居場所をつくる取り組みも並行して行っている。スタディルームは教室に入るのがつらい生徒のための場所。教員免許を持つ相談員が常駐し、子どもの生活や気持ちに変化がないか気にかける。不登校対策は民間と連携する動きも広がり、フリースクールとの連携で学校の出席や成績に反映させる動きも出てきている。