ニュースウオッチ9 (ニュース)
3年前、観光船が出発した北海道・斜里町のウトロ港。今も行方不明の息子を思う父親の姿があった。小柳宝大さんは北海道を旅行中に沈没事故にあった。父親が羽織っているダウンジャケットは事故後、船内から見つかった息子のもの。この事故では乗客と乗員合わせて20人が亡くなり、6人が行方不明。観光船を運航していた知床遊覧船の桂田精一被告は去年、業務上過失致死の罪で起訴されている。外食チェーンで店長をしていた小柳宝大さん。実家には身の回りの品が大切に保管されている。去年10月、事故直前の様子を伝えるものが見つかった。別の被害者のカメラから復元され、家族会の集まりで譲り受けた。赤いセーターを着た小柳さんが船に乗り込もうとタラップを歩く姿が映っていた。きょうの追悼式には小柳さんの父親も出席。再発防止への思いを改めて強くしていた。式典の後、知床の海をじっと見つめていた。