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野球を科学的に分析して、球界の発展につなげようと去年設立された「日本野球学会」。研究成果を発表する大会が開かれ、ユニークな研究の数々が披露された。大会はきのうまで2日間開かれ、国内外の大学で研究する専門家やプロ野球関係者、高校生など320人が参加。さまざまな視点での発表が行われた。心理学が専門の准教授が注目したのは、外国人選手の名前。プロ野球72年分のデータを調べ検証したのは、「“強い”といった印象を与えるという“濁音”が名前に入っている選手は、相手が強打者の印象を抱き、打席に影響を及ぼすのではないか」という極めてユニークな仮説。その結果「“濁音”が2つある選手は、1つもない選手よりもデッドボールが多いことが分かった」という。鳥取・米子東高校野球部・村上隆之助さんが着目したのは、スポーツでよく使われる「流れ」ということば。選手の血糖値の増減を計測したところ、「流れ」がよいと感じてプレーした場合、血糖値が上昇する傾向にあることが分かり、好結果が期待できるなど、一定の関係性が見られたという。宮城・仙台市の映像。高校生の部で優秀賞を受賞したのが、愛知・誉高校野球部・川鍋凛桜マネージャー。試合でなかなかダブルプレーが取れないことから、二遊間のゴロでダブルプレーを完成させる方法を研究。捕球した位置とベースの距離との関係性を調べ、トスをするべきか、自分でベースを踏むべきか、データを取りながら、効率的にダブルプレーを取る方法を明らかにした。川鍋マネージャーは「スコアを書いているときにゲッツー崩れが多いなと思ったので、この研究を選択した」と語った。学会では今後、若い世代へのアプローチを広げ、認知度の向上を図っていきたいとしている。