ガイアの夜明け トランプ関税と日本の製造業
次々とカードを繰り出しルールを変えるトランプ大統領、6月4日に発動された50%の「鉄鋼・アルミ関税」。今度は素材に課される関税のため、日本から輸出しても中国から輸出しても回避できない。東京・港区のコマツの本社では、50%の「鉄鋼・アルミ関税」に関税対策チームの高橋さんが、渋い顔をしていた。
6月上旬、アメリカ・サウスカロライナ州にあるコマツのニューベリー工場。中国を始め世界中から調達した部品を組み立て、ホイールローダーなどを製造している。関税対策チームのメンバー・村井さんが急遽現場を確認し、中国製の部品を関税がかからないアメリカ製に切り替える選択肢はあるのか検証しに来たという。この日村井さんが向かったのは、コマツの工場から車で数分のところにあるアメリカのサプライヤー「ビッグ ガン ロボティクス」。10年前からコマツと取引があり、ホイールローダーなどの部品を供給している。会社のオーナーであるリーさんが、自ら工場を案内しコマツの部品をもっと作れると猛アピールした。トランプ関税を追い風に交渉が始まる、アメリカでどれだけコストを下げられるのか、村井さんは持ち帰って検討することにした。
優先するのはアメリカか中国か、決断を迫られる日本の製造業。4月に就任したばかりのコマツ・今吉社長の答えは。